こんにちは、まちエネです。
お家で使う様々な家電の中でも、よく使われている空気清浄機。特に花粉シーズンにおいて空気清浄機は重要な役割を果たします。花粉症の方やアレルギーを持つ方にとって、室内の空気中に漂う花粉やホコリを取り除くことは快適な生活を送る上で欠かせません。
空気清浄機をつけっぱなしで寝るなど、24時間運転すると効果が高まりますが、その際に気になるのが電気代です。
家庭用の空気清浄機にはさまざまなタイプがありますが、一般的に電気代はそれほど高額ではありません。エアコンや暖房器具などと比べると、電力消費量は非常に少ないのが特徴です。
空気清浄機を24時間つけっぱなしにして運転させると、9.36円になります。つらい花粉の時期など、1か月つけっぱなしにすると、電気代は約290円ほどになります。
使用方法や機種によって異なりますが、基本的には節電が可能です。
このコラムでは、空気清浄機の電気代に焦点を当て、効果的な使用法や節電のコツについて詳しく解説します。
空気清浄機の基本的な仕組み
まず初めに、空気清浄機の基本的な仕組みについて理解しましょう。空気清浄機は、ファンを利用して室内の空気を吸引し、フィルターを通して不純物を取り除きます。主な不純物としては花粉やホコリ、ウイルス、菌類などが挙げられます。
清浄された空気は再び室内に放出され、お部屋を快適にしてくれます。
空気清浄機には、「ファン方式」「イオン方式」「電気集塵方式」があります。
ファン方式
空気をフィルターに通して塵やにおいを取り除く方式です。コンパクトで手ごろな価格が魅力ですが、定期的なフィルター掃除と交換が必要です。お掃除を怠ると空気清浄機能が低下してしまい、電気代が高くなる可能性があります。
イオン方式
オンを放出して、浮遊物質や菌を抑制します。シャープの「プラズマクラスター」やパナソニックの「ナノイー」などが代表的です。こちらはファンがついていませんので、音が静かなことがメリットですが、ハウスダストや花粉など直径の大きな粒子に対しては効果が薄いとされています。
電気集塵方式
空気中の塵にマイナスの電荷を帯電させ、高圧をかけたプラスの電極に引き寄せて電気的に集塵する仕組みです。静電気を利用して空気中の微粒子を集めてくれます。目詰まりがしにくい方式となっており、そのためフィルターが長持ちします。しかし、その複雑な構造のために本体サイズが大きくなりがちです。
空気清浄機は花粉症やダニアレルギー、タバコやペットのにおい対策に効果的で、PM2.5やウイルス対策としても有効ですが、機種による除去効果の違いに注意しましょう。
空気清浄機の電気代計算方法
空気清浄機の電気代は、主に使用するモデルや設定によって異なります。消費電力量は製品ごとに異なるため、選択する際には消費電力に着目することが重要です。
一般的に、ハイエンドモデルほど高性能ですが電気代が多くかかる傾向があります。消費電力量(単位: kW)と電気代(単位: 円)の関係を理解し、予算に合わせて適切なモデルを選びましょう。
空気清浄機の電気代の計算式は以下のようになっています。
空気清浄機の電気代(円)=消費電力(kW)×1kWhあたりの電気料金単価(円/kWh)
例えば消費電力が13Wの空気清浄機を1時間つけたとした場合、電気料金単価を30円/kWhと仮定すると、
0.013kW(13W)×30円/kWh=0.39円(1時間あたり)となります。この空気清浄機を24時間つけっぱなしにして運転させると、9.36円になります。
つらい花粉の時期など、1か月つけっぱなしにすると、電気代は約290円ほどになります。
運転モードごとでは電気代に大きな差が出る
ただし、空気清浄機には基本的に、「静音」「弱」「強」「ターボ」などの運転モードがありますので、使い方によって電気代には差が出てきます。
ここではSHARPの空気清浄機「FU-S50」をモデルとして、運転モードごとの電気代の違いを見てみましょう。
運転モード | 静音 | 中 | 強 |
消費電力(W) | 2.6 | 13 | 49 |
1時間あたりの電気代 | 約0.08円 | 約0.40円 | 約1.5円 |
24時間運転した場合の電気代 | 約1.92円 | 約9.6円 | 約36円 |
運転モードによって電気代に差が出ていることが分かります。
実際には1年を通してずっと空気清浄機をつけっぱなしにすることはないと思いますが、年間365日運転させたと仮定して計算してみると、静音モードでは約700円/年間、強モードでは約13,140円/年間と大きな差になることが分かります。
24時間つけっぱなしでも運転モードに気を付ければ問題ない
空気清浄機の種類や基本的な電気代についてご紹介してきましたが、静音モードや弱モードでの運転であれば、24時間つけっぱなしにしていても大きな問題にはなりません。
空気清浄機は運転モードに気を付けてうまく使うことで、電気代を抑えながらハウスダストやウイルス、花粉などを低減して快適なお部屋空間をつくりだせます。
空気清浄機の電気代を安くするには?
空気清浄機の電気代について大まかにご説明してきました。ここからは空気清浄機を効率的に使いつつ、電気代を安くする工夫をご紹介していきます。
省エネモードをなるべく使う
先にお伝えしたように、空気清浄機は運転モードにより電気代に差が出ています。ですのでなるべく電気代が安いモードで運転することが工夫の一つです。
また、一部のメーカーや製品には省エネモードが組み込まれていることがあります。省エネモードを選択すると、自動で風量が制御され、これによって消費電力が低減されます。その結果、電気代も抑えることができるのです。
省エネモードがない場合でも、「静音モード」や「弱モード」を活用することで、電気代を節約することが可能です。
部屋の広さに適した空気清浄機を選ぶ
電気代を節約するには、使用する部屋の広さに適した商品を選ぶことが大切です。空気清浄機の消費電力は使用する部屋の広さによって異なる可能性があります。
例えば、SHARPの空気清浄機を比較すると、以下のように違いがあります。
空気清浄機 FU-S50 | 空気清浄機 FP-S120 | |
空気清浄適用床面積 | 23畳 | 53畳 |
運転モード「強」での消費電力 | 49W | 73W |
運転モード「中」での消費電力 | 13W | 14W |
運転モード「静音」での消費電力 | 2.6W | 4.7W |
SHARP 空気清浄機 FP-120 仕様/寸法
大きな部屋向けにデザインされた製品は、消費電力が増える傾向があります。そのため、空気清浄機を選ぶ際には「適用床面積」を確認することが重要です。適用床面積は、日本電機工業会規格(JEM1467)の基準に基づいており、「30分間できれいにできる広さ」を示しています。
ご自宅の部屋の広さに合わせて選ぶ際には、利用する部屋の広さに対して約2倍の適用床面積を持つ製品を選ぶことで、比較的短時間で部屋の空気をきれいにできます。
そうすることで、空気清浄機の効果を保ちつつ、無駄な電力消費を抑えて電気代を安くできるかもしれません。
空気清浄機の置き方を工夫する
空気清浄機は部屋の空気を浄化するため、吸気口から部屋全体の空気が十分に吸い込める場所に設置するのが最適です。部屋の隅では空気が滞留しやすく、部屋全体の空気を十分に吸引できなくなります。
また、家具の間などに置いてしまうと、空気清浄機の機能が生かされません。吸気口が本体の背面にある場合は、壁際に置くと部屋全体の空気が吸い込みにくくなるため要注意です。吸気口が上向きの場合は、窓際でカーテンがかかると効果が十分発揮されないこともあります。
性能を最大限に引き出すためには、吸気口や吹出口を遮らないようにし、本体の上下左右は約30cm以上、後方は1cm以上離して設置することが望ましいです。
これらのポイントを考慮して、部屋の中央やスペースの広い場所に置くことで、空気清浄機の性能を最大限に活かすことができます。
エアコンや扇風機などと一緒に使う
空気清浄機は空気中に舞い上がっているホコリや塵を吸い込みますので、床に落ちている場合には吸い込むことができません。
そこでエアコンや扇風機を併用し、空気を循環させる気流の流れを作りながら、空気の送られる先に空気清浄機を置くことで効率よくお部屋の中のホコリや塵を吸い込むことができます。
扇風機を運転する場合には、扇風機の向いている方向の先に空気清浄機を置くと良いでしょう。
また暖房を使用している際には、暖かい空気は上昇していくことからエアコンの風は下向きに設定し、降りてきた気流の先に空気清浄機を置きましょう。反対に冷房の際には、冷たい空気は下に降りてきますので、エアコンの真下に空気清浄機を置くと効果的です。
お部屋の中の空気の流れに合わせて空気清浄機を置くことで、効率よく運転させ電気代を節約できるでしょう。
エアコンの冷房(クーラー)の電気代や節約方法はこちらのコラムを、扇風機の電気代と節約のポイントはこちらのコラムをご参考ください。
こまめにフィルターを掃除する
空気清浄機は、ホコリなどを除去する際にフィルターが詰まりやすくなります。フィルターが詰まると、空気の浄化機能が低下し、電気代も増えてしまいます。また、ホコリがフィルターに付着したままだと、カビなどが繁殖してしまいます。
ですので、空気清浄機の効果的な運用には定期的な掃除が大切です。特にフィルターは約2週間ごとに掃除し、機種によって異なる掃除方法を説明書で確認しましょう。
ただし、フィルターの効果は経年とともに低下しますので、定期的な交換も不可欠です。一部の機種は長期間使えるフィルターを採用していますが、通常は約2年ごとの交換が必要です。機種によって異なるため、交換時期も確認しておくと良いでしょう。
電力会社、契約プランの見直し
省エネモードの活用や空気清浄機とエアコンなどの使い方を工夫することで電気代を削減できますが、そのほかに電気代節約におすすめなのが、電力会社の切り替えです。
さまざまな電力会社がライフスタイルごとに異なる料金プランを提供しています。各家庭に合った料金プランを提供している電力会社に切り替えて、電気代の節約を目指しましょう。
まちエネでもお昼の電気代がおトクなデイタイムバリュープランなど生活に合わせた料金プランをそろえておりますので、ぜひチェックしてみてください。
空気清浄機の活用は、健康面だけでなく生活の質を向上させる要素です。特に花粉シーズンでは空気清浄機は大活躍してくれるでしょう。
しかし、無駄な電気代をかけずに効果的に使用するためには、機能や設定に注意することが不可欠です。このコラムでご紹介したポイントを踏まえ、適切な使用法を実践し快適に過ごしましょう。