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市場連動型プランとは?
電気代の仕組みとメリット・デメリットを解説

こんにちは、まちエネです。

皆さんは毎月の電気代を考える上での新たな選択肢「市場連動型プラン」をご存知でしょうか。

市場連動型プランは、これまでの、電気の料金単価は固定されており、電気の使用量にあわせて電気料金が変わる「従量電灯型」に代わり、柔軟性とおトクな料金を追求する電力プランです。

電気や電力会社についていろいろと調べている際に、市場連動型というキーワードを見かけたことのある方もいらっしゃるかもしれません。今回は市場連動型プランについて、その仕組みやメリット、使い方について詳しく解説します。

市場連動型プランとは?

電気の市場という言葉は聞きなれない方も多いかと思いますが、私たちが毎日使っている電気は、電力会社が仕入れた電気が送電網から送られてくるものになっています。

市場連動型プランは、電力市場の価格変動に基づいて電力量料金単価が変動するプランです。

電力市場という言葉は聞きなれない方も多いかと思いますが、私たちが毎日使っている電気は、電力会社から送られてくるものになっています。

電力会社は自社で発電したり発電業者から仕入れることもありますが、電力市場から調達することもあります。

電力市場というのは「日本卸電力取引所(JEPX)」であり、その取引価格は需要と供給のバランスによって変動します。

JEPXは、日本唯一の電力取引所であり、「一般社団法人 日本卸電力取引所」の略称です。

その英語表記が「Japan Electric Power Exchange」であり、略してJEPXとよばれています。

市場連動型プランの仕組み

市場連動型の電気料金プランは、この電力市場の取引状況に応じて電力量料金単価および電気料金が変わるという仕組みです。

以下の計算式で成り立っています。

電気代 = 基本料金+電力量料金+再エネ賦課金

※プランにより、電力量料金単価ではなく、電源調達費などの項目を別途組み込んでいるプランもあります。

市場連動型プランではこのうち、「電力量料金(電力量料金単価×電気使用量)」がJEPXの取引価格によって変動します。

これに対し、従量電灯型の場合は、「基本料金(最低料金)、電力量料金単価×電気使用量、再生可能エネルギー発電促進賦課金×電気使用量」に加えて、毎月変動する燃料費調整額を増減させることで成り立っています。

さらに、電力量料金の単価は一般的に3段階に分かれており、電力使用量が増えるにつれて料金が高くなる仕組みが一般的です。

一般的な電気代の仕組みにつきましてはまちエネコラム「なぜ電気代は高くなったり安くなったりするの?料金の仕組みから安くする方法を知ろう!」にて詳しくご紹介しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。

従量電灯プラン市場連動型プラン
電力量料金固定変動
特徴電力量料金の単価は電力会社が決めた単価で固定されている市場価格によって電力量料金単価が決まる
一般的な従量電灯型プランとの違い

市場連動型プランのメリット

市場連動型の電力プランでは主に以下のようなメリットがあげられます。

  • 電気代がおトクになる可能性がある
  • 燃料費調整額による値上げリスクを低くできる
市場価格により電気料金が変動するたプランであるため、JEPXの取引価格が低い時間帯では電気代をお安くできます。 一般的な従量電灯プランでは市場価格にかかわらず電力量料金の単価は固定されていますので、市場価格の影響は受けないことになります。 そのため、市場連動型であれば市場価格が安いときには電気代も安いというメリットがあります。

市場価格により電気料金が変動するプランであるため、JEPXの取引価格が低い時間帯では電気代をお安くできます。

一般的な従量電灯型プランでは市場価格にかかわらず電力量料金の単価は固定されていますので、電力市場価格の影響は受けないことになります。

また、従量電灯型プランを提供している多くの電力会社では燃料費調整額が導入されており、過去3か月の燃料費をもとにその調整額が決まり電気代に影響を出しています。

市場連動型プランではそもそもの市場価格に含まれているため、過去の燃料費に影響されるリスクは少なくなります。

市場連動型プランのデメリット

市場連動型プランのデメリットは、その仕組みのために想像以上に電気代が高くなるリスクを含んでいることです。

市場価格に影響されるということは、急な高騰があった際には電気の使用量にかかわらず電気代が高くなってしまうことがあります。

月の電気代が5万円?!

実際、2020年12月中旬から21年1月にかけてJEPXの価格が高騰したため、SNSでは「いつも1万円もいかない電気代がいきなり5万円になっていた!」という投稿がされ注目を集めたこともあります。

この時は寒波により電力消費が増えたことに加え、液化天然ガス(LNG)不足による燃料費の高騰が重なったことが原因でした。

2019年度のスポット価格の平均は7.9円/kWhだったところ、21年1月15日には一時、251円/kWh以上、1日の平均でも100円/kWhを超える日が続いていたため、例年の10倍を超える市場価格になっていたのです。

参考:電気代が月5万円に急騰も 新電力の契約内容確認を 日本経済新聞 2021年2月25日 3:00

このような急激な電気代高騰のリスクがあるということはしっかりと知っておきましょう。

ご自身の生活に市場連動型プランがあっているかが重要

まちエネコラム-市場価格が安い時間帯に電気を使うことで節約はできますが、それはライフスタイルを変えることになります。 電気代を安くするために、生活習慣に負担をかけてしまっては、快適な生活とは言えなくなってしまいます。 ご自身の生活と市場連動型電気プランの相性をしっかりと確認したうえで検討するようにしましょう。

市場連動型プランは、電気代節約の新戦略として注目されています。

柔軟に電気を使いつつ、おトクな電気代で、賢く節約を実現できるかもしれません。

ただし、価格変動に注意しながら、自分に合った使い方を見つけることが重要です。

市場価格が安い時間帯に電気を使うことで節約はできますが、それはライフスタイルを変えることになります。電気代を安くするために、日々の生活に負担をかけてしまっては、快適な生活とは言えなくなってしまいます。

ご自身の生活と市場連動型プランの相性をしっかりと確認したうえで検討するようにしましょう。

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