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EV(電気自動車)向けにおすすめの電気料金プランは?

こんにちは、まちエネです。

EV(電気自動車)は環境にやさしく、またその利便性の高さから注目されていますが、EV(電気自動車)を購入する際に気になるのは、充電にかかる電気代です。

EVを自宅で充電する場合、その充電にかかる電気料金は家庭の電気代に加わることになりますが、実はEVは独特の電気使用パターンを持つため、適した電力プランが存在します。今回は、自宅でEVを充電する際に考慮すべき「EVに最適な電力プランのポイント」について解説します。

EVは電気使用量が非常に大きな家電です

まちエネ-EVの自宅充電をそのまま行ってしまうと家庭の電気使用量が大幅に増えてしまい、電気代が高騰してしまうと考えられます。そのため、EVの充電に最適な電力プランを検討することはとても大切なのです。

EVは、家庭で使う他の家電と比べて電気使用量が大きいことをご存知でしょうか。ガソリン車では1Lあたりの走行距離を燃費と呼びますが、EVでは電費と呼び、それは「走行距離(km)÷充電した電力量(kWh)」で計算されます。例えば、三菱自動車のeKクロス EVの電費はカタログで124Wh/kmとされています。

それではeKクロス EVの充電にかかる電気使用量はどれくらいでしょうか。eKクロス EVが年間10,000kmを走る場合、月の電気使用量は約104kWhになります。

0.124kWh/km ×10,000km ÷ 12か月 = 約104kWh

環境省の調査によると、1世帯当たりの平均的な電気消費量が月間348kWh程度であるため、eKクロス EVの充電にかかる電気使用量は約3分の1に相当します。お家にある他の家電、例えば冷蔵庫などと比較すると、冷蔵庫の消費量が20~30kWh程度であることからも、EVの充電がどれだけ大きな電力を必要とするかが分かります。

参考:環境省 世帯当たり年間エネルギー種別消費量(固有単位)および支払金額(令和3年度)

このことから、EVの自宅充電をそのまま行ってしまうと家庭の電気使用量が大幅に増え、電気代が高騰してしまうと考えられます。そのため、EVの充電に最適な電力プランを検討することはとても大切なのです。

EV向けの電力プランはどのように探せばいい?

まちエネコラム-電力需給ひっ迫警報が発令された場合、私たちに出できることは節電への協力です。特に夏や冬は電力使用量が増えるため、注意報や警報が出ていなくても、日常的に家電の節電を心掛けましょう。

まずは電気料金の基本的な仕組みをおさらいしましょう。一般的には電気料金は基本料金(最低料金)と従量料金の組み合わせで決まります。

基本料金(最低料金)は、電気契約をしていることで支払う料金であり、従量料金は使用した電気の量に応じて変動します。基本料金は契約アンペア数によって決められているプランも多く、契約アンペア数が上がるほどにその料金も高くなります。

また従量料金については燃料費調整額が加えられていることが多いです。そして最後に、国の再生可能エネルギー普及のための施策として国民が負担する、再エネ賦課金も盛り込まれることとなります。

電気代の仕組み、計算方法はこちらのコラムで詳しくご案内しております。

EVは基本料金が高くなりやすい

EVの充電においては基本料金も高くなりがちです。これはEVの充電に必要なアンペア数が高いことが理由で、例えばEVを壁設置型(200V・3kW)のコンセントから充電したと仮定してみましょう。

必要なアンペア数を計算するには、以下のアンペアとボルトの計算式で表されます。

A(アンペア)=W(ワット)÷V(ボルト)

この計算によると、充電コンセントを必要とした場合、15Aが必要であることがわかります。もしも6kWの充電コンセントであると必要なアンペア数は30Aとなります。

ただ、あくまでもEVの充電をするためのアンペア数を計算しただけなので、ご家庭で使用する他の家電、照明などに加えて充電するという場合には、契約アンペア数を上げておかないと、EVの充電をするたびにブレーカーが落ちてしまうという事態になりかねません。

こうしたことから、EVを自宅充電する場合には契約アンペア数を上げておく必要があり結果として基本料金は高くなる傾向にあります。

例として東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bでは、以下のようになっており、40Aの契約をEVの購入を機に60Aに変更した場合、毎月の基本料金は623円上がり、年間では7,476円上がるということになります。

アンペア数基本料金
30A935円25銭
40A1,247円00銭
50A1,558円75銭
60A1,870円50銭
参考:東京電力 従量電灯B・C
※2024年5月時点

従量料金では電気料金単価に注目

まちエネコラム-アウトランダーの満充電時の航続距離は87kmとされています。10,000km走るのであれば、115回ほどの充電が必要となります。先ほどの1回あたりの充電にかかる電気代で計算すると、合計は69,000円ほどとなります。

EV充電の従量料金については、充電に必要な電力量そのものを減らすことができないため、電気代の構造に注目してみる必要があります。

電気代は以下の式によって計算されます。

消費電力(W)÷ 1,000 × 使用時間(時間)× 電気料金単価(円/kWh)

例えばeKクロス EVを満充電するのに必要な電気代を考えてみましょう。eKクロス EVのバッテリー容量は20kWhとされています。計算してみると、電気料金単価が30円/kWhである場合、満充電にかかる電気代は600‬円ということになります。

このことを踏まえた場合、年間に10,000km走るという想定でeKクロス EVではどれくらい充電が必要でしょうか。eKクロス EVの満充電時の航続距離は180kmとされています。10,000km走るのであれば、56回ほどの充電が必要となります。先ほどの1回あたりの充電にかかる電気代600円で計算すると、10,000km走るために必要な充電にかかる電気代は33,600円ほどとなります。

家庭の電化製品の中でももっとも電力消費量が多いといわれるエアコンでも、年間の電気代はおよそ24,330円(電気料金単価30円/kWh)とされていますから、EVの充電にかかる消費電力量の多さが分かります。

参考:家庭向け省エネ関連情報 機器の買換で省エネ節約 経済産業省資源エネルギー庁

EVにおすすめの電力プラン

ここまでEVが基本料金や従量料金にどのくらい影響するかをご紹介し、電気代として、非常に大きな割合を占めていることがわかりました。ではEVオーナーはどんな電力プランを選ぶべきなのでしょうか。

基本料金(最低料金)の安いプランを選ぶ

まずは基本料金についてです。様々な電力会社がそれぞれのプランで基本料金を定めていますが、できるだけ安い基本料金のプランを探してみましょう。例えば「まちエネ」ではEVオーナーの方限定で安い基本料金を設定した「デイタイムバリュープラン」をご用意しております。

東京電力エリアであれば、デイタイムバリュープランの基本料金は295.24円/10Aになります。仮に60Aでの契約ですと1,771.4円になります。先ほどご紹介した東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bの60Aでは、基本料金1,870.5円と比較し安く抑えることができます。

電気料金単価の安いプランを選ぶ

充電にかかる電気代については、消費電力と使用時間、つまり充電にかかる時間はEVのバッテリー性能に左右されます。そのため、電気使用量を落とすことは難しいので、残るは料金単価という項目に注目する必要があります。

先ほど1回の充電にかかる電気代の計算では30円/kWhを使用しましたが、例えばまちエネの「デイタイムバリュープラン」では、お昼時間帯の電気料金単価として、25.65円/kWhになっています。

ここで先ほどのように「デイタイムバリュープラン」と、電気料金単価30円/kWh、35円kWh、40円/kWhそれぞれでeKクロス EVを充電したと仮定すると、以下のようになります。

電気料金単価1回の満充電にかかる電気代
26.65円/kWh533円
30円/kWh600‬円
35円/kWh700円
40円/kWh800円

単価が安く設定されているため、1回あたりの充電にかかる電気代が安くなることが分かります。現在ご契約中の電力プランの電気料金単価からよりおトクなプランへと切り替えることで、充電にかかる電気代を節約することができるのです。

また同じく年間の料金も比較すると、以下のようになります。(年間10,000km走行を想定)

電気料金単価年間の電気代
26.65円/kWh29,848円
30円/kWh33,600‬円
35円/kWh39,200円
40円/kWh44,800円

こちらも電気料金単価の差から年間の電気代に大きく差が出てくることが分かります。単価が10円異なっていると、1年間のEV充電料金は約11,000円も変わってくることになります。

EVオーナー専用の電力プラン

まちエネコラム-こちらのプランでは家電などの電気代と、まちエネが事前に想定するみなし電気使用量のお支払いがあるものの、深夜時間帯(午前1時~午前5時)のEV充電については無料になっており、バッテリー容量が大きいEVの充電でも急速充電でもEVの充電には費用がかかりません。

より安い基本料金や電気料金単価を持つプランを探す他にも、EVオーナー専用の電力プランが提供されていることもありますので探してみましょう。

EVの充電時間を想定して深夜帯の電気料金単価を安く設定してくれたり、電気と環境価値を組み合わせて再生可能エネルギー比率の高い電力プランを提供している会社もあります。

EVの使い方、充電する時間帯を変更することは大変です。それはEVを運転する時間つまり出勤時間やお子さんの送り迎えの時間が変えられないことと同じです。電気代のためにライフスタイルを変えるのではなく、ご自身のライフスタイルにあう電力プランを探すことが、EVオーナーにとって良い選択と考えられます。

ここまでEVの充電料金や電力プランの選び方についてご紹介してまいりました。ここまでお伝えしたEVの充電料金や電力プランの選び方を参考に、ぜひご自身のライフスタイルにあったプランを見つけましょう。

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