こんにちは、まちエネです。
電気自動車(EV)の普及が進んでいるなか、近年注目されているのが、一人乗りの電気自動車(EV)です。
一人乗りの電気自動車(EV)は、短距離を移動する方々にとって非常に便利な選択肢となっています。その小型車ならではのコンパクトさと走行性能で注目を集めており、また、高齢者の方々にとっては、扱いやすいサイズと使いやすい操作性が、安全かつ快適なモビリティを実現してくれます。
このコラムでは、一人乗りの電気自動車(EV)が持つ魅力にせまり、オススメの方や充電方法などを探っていきます。
一人乗り用の超小型電気自動車(EV)とは?

一人乗りの電気自動車(EV)は、一人用に特化して設計された小型の電気自動車(EV)を指します。
電気自動車(EV)はガソリン車に比べてまだまだ車両価格が高い傾向にありますが、このタイプの小さな電気自動車(EV)は、車両価格や維持コストが比較的安価になっています。
加えて、普通乗用車に比べて運転が手軽な点も、近年注目を集めています。 また、専用の運転免許などは不要で、普通自動車免許を持っていれば、すぐにでも公道を走ることができます。
ミニカーと超小型モビリティの分類と違い
一人乗り電気自動車(EV)は、自動車の規格により、ミニカーまたは超小型モビリティのいずれかに分類されます。
- ミニカー
ミニカーは、道路運送車両法上は原動機付自転車と同じカテゴリーであり、そのため購入時には車検や車庫証明が不要です。しかし、道路交通法上は自動車に分類されるため、普通自動車免許が必要となります。なお、ミニカーは、完全に一人乗り専用となっています。 - 超小型モビリティ
超小型モビリティは、1〜2名が乗車可能ですが、実際はほとんどが一人乗り専用です。また、超小型モビリティは、軽自動車のカテゴリーに属し、購入時には車検が必要であり、地域によっては車庫証明が求められます。
一人乗り電気自動車は高齢者におすすめ

一人乗り電気自動車(EV)は、少子高齢化が急速に進む日本において、高齢者の移動問題を解決するための手段として、近年注目を浴びています。
高齢者による自動車事故は社会的に懸念されており、高齢者が加害者や被害者いずれにもなってしまうケースが増加しています。そのため、年齢に応じた自動車免許の返納についての議論も活発化しています。
しかし、高齢の方たちの住む地域によっては、自動車という移動手段を奪われてしまうことは、生活に大きな支障をきたしかねないことも事実です。
このような背景から、自動車関連メーカーは特に超小型モビリティを中心に、高齢者向けの一人乗り電気自動車(EV)の開発に力を入れています。さらに、高齢者向けの展示会やプロモーションを積極的におこなう企業も増加しています。
一人乗りの電気自動車の特徴とメリット
コンパクトで小回りが利き、取り回しやすい
一人乗りの電気自動車は、そのコンパクトさが最大の特徴の一つです。通常の自動車に比べてサイズが小さく、狭い道路や駐車場でも取り回しが容易です。都市部や繁華街など、スペースに制約がある場所での利用でもその軽快さで快適な運転ができるでしょう。
低速・短距離向けの設計
一人乗りの電気自動車は、主に低速・短距離向けに設計されています。これは、都市部や郊外の通勤や買い物など、日常的な移動に適していることから、まさに日々の生活に寄り添う便利な移動手段としてとても良い選択肢の一つと言えます。
一度の充電で走れる距離はおよそ60km~100kmほどとされていて、毎日10kmほどしか運転しないのであれば1週間充電をせずとも十分でしょう。必要十分なスペックで移動手段を選ぶのであれば、ライフスタイルによっては一人乗りの電気自動車(EV)がぴったりという方もいらっしゃいます。
環境に優しい
電気自動車(EV)は、ガソリン車と比較して環境に優しいとされています。CO2や窒素酸化物の排出が少なく、地球温暖化や大気汚染の軽減に貢献します。特に一人乗りの電気自動車(EV)は、小型で軽量なため、エネルギーの効率的な利用が可能です。
電気自動車(EV)とガソリン車の比較についてはこちらのコラムで詳しくご紹介しておりますのでご参考ください。
ミニカーであれば車検は不要
一人乗りの電気自動車(EV)でミニカーに分類されるものは、原動機付自転車と同じ扱いとなりますので車検は不要です。車検費用などをおさえたいという場合にはミニカーがおすすめです。
一人乗り電気自動車(EV)の注意点

ミニカー、超小型EVはいろいろなメリットがありますが、一方でそのコンセプトゆえに購入時には注意しなければいけないこともあります。機能が制限されていますので、ご自身が車を使うシーンや用途をしっかりとイメージしておきましょう。
高速道路の走行はできないことは問題ないか、積載量やエアコンの有無はどうか。悪天候でも使用する場合にはしっかりとフルカバーボディのモデルを選ばなければいけませんし、必要な走行距離に足りているかもチェックしましょう。
また、一般乗用車とはかなりコンセプトの異なる車ですので、ぜひ試乗されることをおすすめします。ガソリン車に慣れていると、小型の電気自動車の乗り心地は全く違うものに感じるはずです。小回りの利き具合も、実際に運転をして体感しておくと良いでしょう。
ただし、一人乗り電気自動車(EV)は販売店に試乗用の車が置いてないことがありますので、レンタカーなどで乗り心地を体験してみると良いかもしれません。
おすすめの一人乗りの電気自動車(EV)は?
実際に一人乗りの小型の電気自動車(EV)はどんなものが販売されているのでしょうか。実はまだまだ超小型の電気自動車(EV)の車種は限られており、そこまで豊富な選択肢があるわけではありません。以下にいくつかモデルをご紹介していきます。
トヨタ車体 「コムス(COMS)」
トヨタ車体が提供する「コムス(COMS)」は、ミニカーの一種です。短距離移動に適した便利さと経済性を備えており、約6時間の充電で57kmほど走行可能です。最高速度は60km/hとなっており、最大積載量は90kgです。
電気代はフル充電で約159円と非常に経済的であり、ミニカーのため車検や車庫証明、自動車重量税、自動車税環境性能割などの費用は一切かかりません。
コムスは住宅街の狭い道路でもスムーズに走行でき、コンパクトなボディのため普通の自動車のスペースに2台分の駐車が可能です。さらに、CEV補助金(クリーンエネルギー自動車導入事業補助金)の対象となっているので、購入時には補助金の利用ができるか確認してみてください。
タケオカ自動車工芸 電気ミニカー「La La」
タケオカ自動車工芸が提供する「Lala」はミニカーに分類されます。パワーウインドウやバックモニター、ウインカーオートキャンセラーなどの装備に加えて、オプションでエアコンやパワーステアリング搭載もできるなど、ミニカーの中ではさまざまな追加機能があることが特徴です。
リチウム電池と鉛電池の2タイプが用意されており、さまざまなニーズに対応しています。
車両幅が1.3m未満のため、狭い道路でもスムーズに走行できます。さらに、充電にかかる電気代も非常に安価であり、1kmあたり約1円の電費で走行できます。
KGモーターズ ミニカー「ミニマムモビリティ」
KGモーターズが提供するこのミニカーは、小型で運転がしやすく、維持費を低くおさえられることが特徴です。
まず、サイズの小ささが小回りを利かせ、狭い道でもスムーズに進むことができます。全幅が1,090mmと軽自動車の約3/4サイズであり、1人乗り特有のセンターポジションで運転が苦手な方でも、運転しやすいです。運転が苦手な人でも、この車での移動は楽しく感じられるでしょう。
次に、維持費に関しては原動機付自転車規格となるミニカーであり、車検が不要で税金も原動機付自転車と同様です。さらに、1kmあたりの電費が約1円と非常に経済的です。これにより、年間の維持コストを軽自動車比較で約1/10に抑えることができます。
最後に、日常の移動においては屋根・ドア・エアコンが標準装備されており、快適な移動が可能です。ソフトウェアのOTAアップデートにより常に最新の状態を保ち、日常の移動をより楽しく、そして安心して行えるようにしています。
参考:KGモーターズ
リブサル株式会社 超小型電気自動車「e-mo」
リブサル株式会社が提供しているのは、ミニカー区分とされているe-moです。ミニカーのため、車検や車庫証明は不要です。こちらもコンパクトで軽快な運転ができるモデルですが、最高速度は時速50kmであり、一度の充電で約40Kmの距離を走行できます。自宅の近くを行き来するのには十分な性能です。
こちらはデザインにこだわった電気自動車とされており、ほかのミニカーに比べて一般の乗用車のようなデザインが採用されていることが特徴の一つとして挙げられます。
充電場所の検討も

一般的には電気自動車(EV)の充電場所としては以下の場所があげられます。
- 自宅
- コンビニ・スーパーマーケットなどの商業施設
- ガソリンスタンド
- 自動車販売店
- 高速道路のサービスエリア など
しかし、一人乗り電気自動車(EV)は主に自宅での充電を想定して開発されていますので、購入する際にはそのモデルが自宅以外の充電スポットでも充電可能かを販売店などで確認しておくことが大切です。
一人乗り電気自動車(EV)を自宅充電するポイント

家庭用の電源を使って一人乗り電気自動車(EV)を充電する場合には、充電に必要な電気はご自宅の電気代に加算されることを知っておきましょう。電気自動車を充電する際には多くの電力を使いますので、ご自宅で契約している電力プランの契約アンペアをあげる必要があるかもしれません。
また、充電する時間帯も注意しなくてはいけません。電力プランによっては時間帯に応じて電気代がが変動するようなプランもあります。もしも電気代が高くなりやすい時間帯に充電をしてしまうと、毎月の電気代が高くなってしまうかもしれません。
ただし、逆の見方をすると、電気代が安く設定されている時間帯に電気自動車を充電することで、電気代をおトクにできるということです。一人乗り電気自動車(EV)を普段どのように使うか、ライフスタイルに合わせて電力プランを見直すことが、新しいモビリティを取り入れた生活には必要です。
EVを自宅充電される方におすすめの電力プラン、プランを選ぶ際のコツはこちらのコラムで解説しておりますので、ご参考ください。
まちエネではお昼時間帯の電気料金単価がおトクな「デイタイムバリュープラン」、午前1時~午前5時の間のEV充電にかかる料金が無料の「毎晩充電し放題!プラン」を提供しています。
他にも各社様々な電気料金プランを提供していますので、EVを使うライフスタイルにあったプランを探すようにしましょう。
一人乗りの小型の電気自動車(EV)は短距離の移動がメインの方や、高齢者におすすめの新しいタイプの自動車です。乗り心地を確認しながら、充電の仕方と電力プランについてもしっかり見直しし、理想的なモビリティを見つけましょう。