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EVの急速充電とは?普通充電との違いや使いこなすコツを解説!

EVの急速充電とは?普通充電との違いや使いこなすコツを解説!

こんにちは、まちエネです。

電気自動車(EV)を自宅で充電できる環境があっても、長距離ドライブや外出先では急速充電を利用する場面が出てきます。急速充電はEVならではの充電方式であるため、「使い方は難しくない?」「どれくらいの時間がかかるの?」と疑問に思う方も多いでしょう。

このコラムでは、急速充電とは何か、普通充電との違い、そして便利に活用するコツまで、EV初心者やこれからEV購入を検討する方に向けて分かりやすく解説します!

EVの急速充電と普通充電は目的が違う

EVの充電方法は、充電器の設置場所によって大きく「自宅での充電(家充電)」と「外出先での充電(外充電)」の2種類に分けられます。それぞれの充電方式には適した利用シーンがあり、効率的に使い分けることがポイントです。

自宅で行う「家充電」は基本的に普通充電ですが、外出先の「外充電」には急速充電と普通充電の両方があります。

充電器の設置場所による分類充電設備
家充電基本的に普通充電
外充電普通充電
急速充電

急速充電は移動に必要な分を充電し、普通充電は時間をかけて満充電を目指す

急速充電ができる設備は、高速道路のSA・PA、道の駅、カーディーラー、コンビニなどに多く設置されています。これらの設置場所からも分かるように、急速充電は移動中(経路充電)に利用されることが多いのが特徴です。

一方で、普通充電は時間をかけて充電し、必要に応じて満充電を目指すのに対し、急速充電は短時間で電力を補給し、目的地までに必要な分をチャージするという使い方の違いがあります。つまり、同じ充電でも「目的」と「使い方」が異なるのです。

急速充電と普通充電の違いは「出力」

EVの急速充電とは?普通充電との違いや使いこなすコツを解説!

急速充電と普通充電の最も大きな違いは、「充電速度」、つまり「充電器の出力」です。

普通充電:家庭向けの低出力充電

普通充電は交流の電源を使用し、自宅の200Vコンセントや、外出先の普通充電用スタンドで行うのが一般的です。日本国内では、多くの普通充電器が3kW(200V×15A)の出力で設計されており、1時間あたり最大3kWhの電力を充電できます。

急速充電:短時間で素早く充電

一方、急速充電は直流の電源を利用し、普通充電と比べて高出力で短時間に充電できるのが特徴です。急速充電器の出力は機種によって異なりますが、日本国内の多くの急速充電器は20~50kWの出力を持っています。

さらに、最近では90kWや150kWの高出力型急速充電器の設置も進んでおり、EVの充電時間はますます短縮されつつあります。

急速充電器には世界共通の規格がある

急速充電器には複数の規格があり、現在世界で主流の規格は4種類存在します。その中でも、世界96カ国で約5万基の充電器が設置されている国際規格が「CHAdeMO(チャデモ)方式」です。

主な急速充電規格

  • CHAdeMO方式(チャデモ):日本発の国際規格で、多くのEVが対応
  • GB/T方式:中国が主体となる規格
  • CCS(Combined Charging System):欧米で主流の規格(CCS1、CCS2の2種類)
  • スーパーチャージャー:テスラ社独自の規格

日本ではCHAdeMO方式が主流

日本国内ではCHAdeMO方式が広く採用されており、多くの充電器メーカーが対応機種を販売しています。これにより、EVオーナーは安心して全国各地で急速充電を利用できる環境が整っています。

CHAdeMOについては公式サイトをチェックしてみましょう。

急速充電の充電時間目安は?

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急速充電の目安は30分

日本国内に設置されている急速充電器の多くは「1回30分まで」という利用制限があります。これは、より多くのEVユーザーが充電器を利用できるようにするためのルールです。そのため、30分経過すると満充電になっていなくても自動的に充電が停止する仕組みになっています。

参考:急速充電器は1回30分までとのことだが、充電後すぐに再充電はできますか。 よくあるご質問 EMobility Power

例外:テスラのスーパーチャージャー

一方、テスラの急速充電器「スーパーチャージャー」には30分制限がありません。ただし、現時点ではテスラ車以外のEVはスーパーチャージャーを利用できません。

なお、テスラ車は変換アダプターを使用すればCHAdeMO方式の急速充電器を利用できます。テスラオーナーの方は、移動ルートや充電環境に合わせて、スーパーチャージャーとCHAdeMO充電器を使い分けると便利でしょう。

テスラのスーパーチャージャーの注意点は、時間制限はないものの、充電完了時に届くアラートを受け取ってから5分を超えた場合には超過料金が請求される点です。スーパーチャージャーでは充電が終わり次第、EVを移動させるようにしましょう。

参考:スーパーチャージャー充電時間超過料金 Telsa

急速充電のメリット・デメリット

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EVをもっと気軽に便利に使える

EVの急速充電器が増えると、EVユーザーにとって嬉しいことがたくさんあります。

特に、長距離ドライブの途中で充電が必要になったとき、急速充電なら短時間で済むのでとても便利です。たとえば、30分ほどでバッテリーの約80%まで充電できるタイプもあり、休憩している間にしっかり充電できます。

また、急速充電器がショッピングモールや駐車場にあると、買い物や食事をしている間に充電ができて、時間をムダにしません。こうした環境が整えば、「充電の手間が面倒そう…」というEVのハードルも下がり、もっと気軽に使えるようになりますね。

バッテリーの劣化を早めてしまう

急速充電を使うときに気をつけたいのが「バッテリーの劣化」です。急速充電では一度に大量の電力を受け取るため、バッテリーが高温になり、その熱が劣化を早める原因になることがあります。

特に、高速道路を長時間走った後は、すでにバッテリーが熱を持っている状態です。そんなときにサービスエリア(SA)などですぐに急速充電をすると、さらに負荷がかかってしまう可能性があります。

とはいえ、最近のEVはバッテリー技術が進化していて、以前よりも劣化の影響は少なくなっています。それでも、できるだけバッテリーを長持ちさせたいなら、充電のタイミングや方法を意識するのが大切ですね!

急速充電できるスポットの探し方

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遠出の際、途中で急速充電を利用するなら、あらかじめルート上の充電スタンドを確認し、充電計画を立てておくと安心です。

多くのEVやPHEVには、ナビゲーションシステムを使って充電スタンドを探せる機能が備わっています。走行中でも簡単に検索できますが、車載のナビは車内でしか使えず、事前に調べたいときには少し不便です。また、充電スタンドは新設や廃止があるため、最新情報を把握しておかなくてはいけません。充電できる場所があると思っていたら、すでに廃止されていたとなると大変困ることになってしまいます。

そんなときに便利なのが、ウェブサイトやスマホアプリの充電スタンド検索サービスです。

以下のようなサイトを利用して、お出かけ前に充電するスポットを調べておきましょう。

急速充電を効率よく利用するコツ

急速充電は遠出する際にとても便利なものであることが分かりましたが、より効率よく利用するためのコツをいくつかご紹介いたします。

アプリでリアルタイム情報をチェックする

EV充電スポットの空き状況や利用履歴をリアルタイムで確認できるアプリを活用しましょう。例えば、「EVsmart」「e-Mobility Power」「PlugShare」などのアプリを使うと、近くの充電スポットの混雑状況や故障情報を把握できます。

短時間で必要な分だけ充電する

急速充電はバッテリー残量が少ないほど効率よく充電できます。満充電を目指さず、目的地までの必要な分だけ充電し、次の充電スポットで補充する方法が時間節約につながります。特に80%を超えると充電速度が遅くなるため、70~80%で切り上げるのが効率的です。

休憩や買い物中の時間を有効活用する

充電待ちの時間を活用することで、移動時間のロスを減らせます。充電スポットがある施設(ショッピングモール、コンビニ、高速道路のサービスエリアなど)を選ぶことで、買い物や食事、休憩をしながら充電を済ませることができます。

バックアップの充電スポットも把握しておく

目的の充電スポットが満車や故障の場合に備えて、近くの代替スポットも事前に調べておきましょう。充電計画に柔軟性を持たせることで、無駄な移動を減らせます。

ご自身のEVのスペックの確認、SOCの目安を決めておきましょう

急速充電を効率よく利用するためには、ご自身のEVのスペックをしっかりと確認することも大切です。例えば、100kWなどの高出力急速充電に対応している車種であれば、そういった充電スポットも充電計画の際に候補に入れることができます。

また、EVは充電量がいっぱいになるにつれて、充電効率が落ちていくとお伝えいたしました。そこで、State of Charge(SOC)にも着目しましょう。これはEVのバッテリーの充電状態(残量)を示す指標となり、%で表わされます。

これもとに、SOCが30%になったら急速充電を利用し、70%になったら充電を切り上げるなどの急速充電を利用するタイミングの計画を立てることができます。これによりさらに短時間で効率よく充電ができます。

自宅に急速充電器はつけられない

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遠出の際にはEVにとって頼もしい存在である急速充電器ですが、自宅にも急速充電器を設置したいと思われるEVオーナーさんもいらっしゃるかもしれません。

結論として、一般家庭には急速充電器の設置はできません。

急速充電器は出力の大きさなどにもよりますが、本体価格が数百万円することが多く、導入コストが非常に高いです。また、本体価格以外にも高電圧を扱うことになるため、設備や設置費用もかかります。

また保守・点検にも継続的にコストがかかってきますので、総額として非常に大きなコストがかかることになります。最初にお伝えしたように、自宅充電はそもそも普通充電を利用してゆっくりと満充電を目指すものとして考えておくのが良いでしょう。

うまく急速充電を活用して、EVでの遠出を効率的に

短時間で充電できる急速充電は、自宅に充電設備がない人や長距離ドライブ時に便利です。遠出や旅行の際は、充電スポット検索サイトやアプリを活用し、計画的に充電することで、快適なEVライフを楽しみましょう。

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