こんにちは、まちエネです。
冬になるとこたつの出番ですね。でも、電気代が気になる方も多いのではないでしょうか?
こたつの消費電力は300Wから500Wほどで、電気料金単価が30円/kWhとしますと1時間あたりの電気代は約9円から15円です。こたつは暖房器具の中でも、比較的電気代が安い家電製品になります。
とはいえ、かしこい節約方法を理解することで、もっとおトクにこたつを活用できるはずです。
このコラムでは、こたつの電気代の計算方法をご紹介し、エアコン、ホットカーペットなど他の暖房器具との電気代を比較してみます。さらに、温度設定の最適化、省エネタイプのこたつの選び方、使用時間の管理など、節約のコツもご紹介します。
寒い冬でも、電気代を抑えながら過ごせるよう、ぜひ参考にしてみてください。
こたつのメリット
こたつの最大の魅力は、スイッチをいれるとすぐに暖かくなってくれる点です。
また、専用のテーブルと布団を組み合わせて使うことで、足元から全身を暖めてくれます。これにより、部屋全体を暖めるよりも電気代を節約できます。
また、暖房効果や電気代とは異なりますが、こたつは家族団らんの場としても人気があります。こたつがコミュニケーションの場になるなど 、暖房効果とは違った面での特徴ももっています。
こたつのデメリット
いっぽうで、こたつにはいくつかのデメリットもあります。長時間使用すると、特定の部分だけが温められ続けるため、低温やけどのリスクがあります。また、乾燥しやすくなるため、乾燥肌や呼吸器に問題がある方は注意が必要です。適度な使用時間を守り、部屋の湿度を保つ工夫をしましょう。
また、こたつはスペースをとりますので、設置場所を考えなくてはいけないことや、シーズンが終わった際に収納場所を必要とすることも、デメリットとして挙げられるでしょう。
こたつの種類
こたつには、いくつかの種類があり、それぞれ特徴と仕組みが異なります。ここでは、石英管ヒーター、ハロゲンヒーター、フラットカーボンヒーターの3種類について説明します。
石英管ヒーター
石英管ヒーターは、ガラスでできた管の中に電熱線が入っている構造です。この電熱線に電気が通ると、熱を発生させて暖かくなります。石英管は熱に強く、耐久性もあるため、安定した暖房効果が期待できます。ただし、温まるまでに少し時間がかかることがあります。
ハロゲンヒーター
ハロゲンヒーターは、ハロゲンランプを使って熱を発生させます。ハロゲンランプは、普通の電球よりも明るく、熱を効率よく伝える特徴があります。スイッチを入れるとすぐに暖かくなるのが魅力です。また、ランプの寿命も長いので、長期間使用できます。
フラットカーボンヒーター
フラットカーボンヒーターは、薄いカーボンフィルムを使って熱を発生させるタイプのヒーターです。薄くて平らな形状なので、こたつの内部にコンパクトに収まり、均一に熱を伝えることができます。また、電気効率が高く、省エネ性能にも優れています。フラットなデザインなので、ヒーター部分が邪魔にならないのもポイントです。
これらのヒーターは、使用する状況や好みに応じて選ぶとよいでしょう。どれも快適に暖かさを提供してくれるこたつの心臓部です。
こたつの電気代は1時間で9円ほどと安い
こたつの電気代について詳しく見てみましょう。電気代を計算するためには以下の式を使います。
電気代 = 消費電力(W)÷ 1,000 × 使用時間(h)× 電気料金単価(円/kWh)
こたつの平均的な消費電力は300W~500Wとなります。電気料金単価を30円/kWhと仮定しますと、1時間使用した場合の電気代は9円~15円となります。
こたつを1日どれくらい使うかによって電気代は変わります。例えばこのこたつを1日6時間、1か月(30日)使うと、電気代は以下のようになります。
電気代 | |
1日(6時間) | 54円~90円 |
1か月(30日) | 1,620円~2,700円 |
1日6時間でも54円~90円、1か月(30日)では1,620円~2,700円となります。
実際のこたつの電気代はもっと安い
しかし、実際にはこたつの電気代はもっと安い傾向にあります。それは、各社がカタログで掲載している消費電力は、こたつが温まるまでにかかる消費電力になっているからです。冷たい空気を暖めるためには多くの電力が必要になりますが、一度温まってしまえば、そこまでの消費電力はかかりません。
例えば、ニトリのこたつ(フロットG 105 VNA)では、ヒーターの消費電力は510Wとされており、単純に1時間あたりの電気代の目安を計算すると15.3円です。しかし、実際に発表されている1時間あたりの電気代の目安は、弱運転では2.5円、強運転では5.3円となっています。(電気料金単価31円/kWh)
金額があわないため逆算してみると、弱運転時の消費電力は約81W、強運転時の消費電力は約171Wであることが分かります。
このように、温まるまでの電気代より、ある程度温まってからの電気代の方がもっと安い傾向になるのです。
こたつと他の暖房器具の電気代比較
こたつは部屋全体を暖めるものではないので、エアコンなどの全体暖房と一緒に使うことが多いですよね。そんなとき、エアコンとの併用による電気代が気になるところです。また、こたつと同じく身体を直接暖めるホットカーペットの電気代とも比べてみましょう。
こたつとエアコン(暖房)の電気代比較
エアコンの暖房時の電気代がどのくらいなのか計算してみましょう。10畳向けのダイキンDXシリーズS284ATDP-W(-C)の暖房時の消費電力は730Wとなっています。
電気料金単価が30円/kWhの場合、1時間の運転にかかる電気代は、21.9円となります。さきほどのこたつの1時間あたりの電気代の目安が約9円でしたので、こたつと比較するとエアコン暖房の電気代は倍以上かかることになります。もしこたつとエアコンを併用すると、1時間にかかる電気代は約30.9円ということです。
ただし、エアコンとこたつを併用することで、それぞれの設定温度を少し低くしても問題ないと思われますので、消費電力を抑えられる可能性があります。
こたつとホットカーペットの電気代比較
ホットカーペットは、内部の電熱線に電気を通して暖かさを提供する暖房器具です。こたつと同様に部屋全体を暖めるわけではありませんが、触れている部分を直接温かくします。構造は似ていますが、実は電気代がかなり異なります。
カーペットの大きさにもよりますが、アイリスオーヤマのホットカーペットHCM-T2420(3畳)の消費電力は740Wとなります。電気料金単価が30円/kWhとしますと1時間つけている場合の電気代は22.2円となります。
こたつと比較すると、ホットカーペットの電気代は高くなることがわかります。
こたつの電気代節約テクニック
昔は畳の和室で使うのが一般的だったこたつですが、今ではフローリングの上に設置することも増えています。こたつを使う際に節電するためのポイントをいくつか紹介します。
敷布団やラグは必須
フローリングの上に直接こたつを置くと、熱がどんどん逃げてしまいます。和室でも同様で、こたつの下には必ず敷布団やラグを敷きましょう。また上掛けも使うことで、さらに節約ができます。
経済産業省の家庭でできる省エネの案内では、こたつ布団だけでなく上掛けと敷布団も利用することで、年間1,010円の節約ができるとしています。
参考:経済産業省 資源エネルギー庁 省エネポータルサイト 無理のない省エネ節約
断熱シートでさらに効果的に
特にフローリングの上でこたつを使う場合、布団とフローリングの間に断熱シートを敷くと効果的です。また、断熱シートをこたつのやぐら部分にかぶせることで、内部の熱を効率よく閉じ込めることができます。
掛布団はこたつに合ったサイズを選ぶ
掛布団が小さいと隙間ができ、熱が逃げやすくなります。こたつのサイズに合った掛布団を使い、出入りの際にも隙間ができにくいものを選びましょう。
設定温度は「中」以下で
温度設定は電気代に大きな影響を与えます。こたつの温度設定を「中」や「弱」にすることで、電気代を節約できます。こたつは設定温度になると自動的にヒーターが切れる仕組みですので、十分に暖まったら温度を下げることを試してみましょう。他の暖房器具と併用する場合も、それぞれの設定温度を少しずつ下げることで効果的に節電できます。
これらのポイントを意識して、こたつを上手に使い、冬の電気代を抑えましょう。
電力会社の切替えも節約につながる
こたつの電気代を節約するためには、電気料金単価がより安い電力会社に切り替えることも一つの方法です。
多くの電力会社は、電気の使用時間帯や家庭のライフスタイルに応じたさまざまなプランを提供しています。例えば、夜間の電気料金が安くなるプランや、一定の使用量を超えると割引が適用されるプランなどがあります。
こたつを長時間使用する家庭では、これらのプランをうまく活用することで、電気代を大幅に削減することが可能です。
特に、夜間や早朝に使用することが多い場合は、夜間料金が安いプランを選ぶと効果的です。電力会社のウェブサイトをチェックして、ご自身のライフスタイルに合った最適なプランを見つけてみてください。
電力プランの見直しは、こたつの節電対策の一環として非常に有効です。無理なく節電を実現し、冬を快適に楽しみましょう。