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風力発電とは?仕組みをわかりやすく解説

みなさんこんにちは、まちエネです。

地球環境にやさしく、持続可能な社会をめざすためにクリーンエネルギーの活用が進められています。中でも、風力発電は近年注目されている再生可能エネルギーの一つであり、環境にやさしいエネルギーとして活用されています。

広い土地や山の上に大きな風車が置かれている景色や、海の上にたくさんの風車が並んでいるような写真を見たことがあるかもしれません。

今回のコラムでは、風力発電の仕組みをわかりやすく解説していきます。

風力発電はどうやって電気をつくる?

まちエネコラム-ブレードが風を受けて回転すると、ナセル内にある増速器がギアで回転数を増やし、得られた回転のエネルギーを発電機が電力に変換します。この発電機は、電磁誘導という現象を利用して、回転エネルギーを電力に変換しています。  発電された電力は、送電線を通じて各地に届けられるのですが、その前に変圧器で昇圧されることがあります。これは電力ロスを減らすための工程であり、送電線を通じて電力を効率的に配布するための処理です。

風力発電は、風の力を利用して風車を回し、発電する技術です。そのため、電力量あたりの発電コストが比較的低いことから、再生可能エネルギーの中でも注目を集めている発電手段の一つです。風力発電は、1990年代にデンマークを皮切りにヨーロッパで導入が始まり、その後世界中で広く普及しています。

風力発電機は、「ブレード」、「ナセル」、「塔体」と呼ばれる部分から構成されています。

ブレードが風を受けて回転すると、ナセル内にある増速器がギアで回転数を増やし、得られた回転のエネルギーを発電機が電力に変換します。この発電機は、電磁誘導という現象を利用して、回転エネルギーを電力に変換しています。

発電された電力は、送電線を通じて各地に届けられるのですが、その前に変圧器で昇圧されることがあります。これは電力ロスを減らすための工程であり、送電線を通じて電力を効率的に送電するための処理です。

強風の際には破損防止のため自動停止する

ちなみに、風力発電の設備には、風が強くなりすぎた場合に安全を確保するため、風車の回転を停止できる仕組みが備わっています。

この、風速が一定の基準を超えると自動的に風車を停止させる機能により、ブレードの損傷や事故を防ぐことができるようになっています。

風力発電のメリットは?

まちエネコラム-風力発電のメリット

枯渇しないエネルギー源

風というエネルギー資源は枯渇の心配がありません。これによって、持続可能なエネルギーとして位置づけられています。

ゼロエミッションで環境にやさしい

また、風力発電はクリーンエネルギーであり、発電時に二酸化炭素や有害物質を排出しないため、環境負荷が小さいことが大きなメリットです。

発電効率がよく費用対効果が高い

なお、クリーンエネルギーの中には、太陽光、水力、バイオマス、地熱などがありますが、風力発電は水力発電に次いで費用対効果が高いとされています。具体的には、1kWの発電にかかる費用が比較的安く、投資コストが抑えられる点があげられます。

電気を売って収益を得ることができる

さらに、風力発電で発電した電力は固定買取価格制度(FIT/FIP制度)が適用されるため、売価が安定しており、投資計画を立てやすく経済的なメリットを享受しやすいという特徴もあります。

これらの点から見ると、風力発電は持続可能性と経済性を兼ね備えたクリーンエネルギーであり、環境への負荷を最小限に抑えながらエネルギーを供給することができることが魅力となっています。

風力発電の課題

風の状況に左右される発電量

まちエネコラム-風力発電設備

風力発電は風の力を利用するため、風の状況に大きく左右されます。風が弱いと発電量が少なくなりますし、台風などの暴風時にはブレードの損傷などの危険があるため、稼働させることができません。

また、年間を通して風の強い場所でないと発電効率が悪くなるため、発電設備を建てられる候補地も限られます。このように風力発電は風の状況に左右される要素が多く、安定した電力供給が難しいことから、今後コスト面での課題はありますが蓄電池の活用なども期待されております。

周辺環境への配慮

国は発電設備の規模に応じて、環境影響評価プロセスを発電事業者に求めています。

事業者は風力発電事業がどのように環境に影響を及ぼすか、自ら調査や予測、評価を行い、その結果を地域住民や自治体へ公表、意見を集約して、それらを事業計画に反映させてゆくことで、環境保全につなげてゆくことになります。

また、令和6年4月に改正された再エネ特措法では、周辺地域への説明会等の実施も義務付けられており、安全面、防災面、景観や騒音、環境への影響などの懸念の解消に向けた取組みが行われています。

陸上風力発電と洋上風力発電

陸上風力発電は、陸上に風力発電施設を建設する方法です。一般的には、広大な平地や丘陵地帯に風力タービンを設置し、風を受けて発電を行います。

陸上風力発電のメリットとしては、比較的コストが低く設置しやすいこと、風の状況を比較的容易に観測できることが挙げられます。しかし、周辺地域への影響については、前述のとおりです。

まちエネコラム-洋上風力発電は、海や湖などの水域に風力発電施設を設置する方法です。洋上風力発電のメリットとしては、風の強さが比較的安定していること、風車の大型化や風速の増加によって発電効率が向上すること、また陸上風力発電と比べて風速が高く発電量が増えることが挙げられます。さらに、風車の設置場所が広いため、周辺への景観や騒音の影響が比較的少ない点も魅力です。

一方、洋上風力発電は、海や湖などの水域に風力発電施設を設置する方法です。

洋上風力発電のメリットとしては、風の強さが比較的安定していること、風車の大型化や風速の増加によって発電効率が向上すること、また陸上風力発電と比べて風速が高く発電量が増えることが挙げられます。さらに、風車の設置場所が広いため、周辺への景観や騒音の影響が比較的少ない点も魅力です。

しかし、洋上風力発電には設置コストが高いことが課題として挙げられます。

このように、陸上風力発電と洋上風力発電はそれぞれ特性やメリット、課題が異なります。地域の風の特性や環境への配慮、コストなどを考慮して、適切な風力発電の方法を選択することが重要です。

洋上風力発電の詳しい解説はこちらのコラムをご覧ください。

日本にとって大切な再生可能エネルギーによる発電

ここまで風力発電の仕組みをお伝えしてきました。日本は資源が少なく、火力発電における燃料を海外からの輸入に依存しているなど、安定的なエネルギー供給に課題を抱えています。

風力発電、特に洋上風力発電は四方を海に囲まれた島国である日本にとっては、とても相性の良い再エネ活用施策です。よって、発電量における再エネ比率がまだまだ低いわが国において、今後も風力発電の拡大が期待されています。

日本は再エネ賦課金の設定やGX(グリーントランスフォーメーション)を掲げるなど、風力発電に限らず再生可能エネルギーの普及を進めています。

これまでなんとなくイメージされていた風力発電について、仕組みを知っていただけましたでしょうか。これからの環境にやさしいクリーンエネルギーを利用した社会への実現に興味を持ってもらえると嬉しいです。

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