こんにちは、まちエネです。
寒い季節には暖房を使うことが増えますが、同時に乾燥も気になりますよね。そのため、加湿器が手放せないという方も多いのではないでしょうか。しかし、加湿器の種類や使い方しだいで電気代が大きく変わることをご存知でしょうか?
実際の加湿器の電気代はその加湿方式や使用方法によるのですが、1時間あたりの電気代は0.2円~14.9円が目安となります。(電気料金単価を30円/kWhとした場合)
このコラムでは、加湿器の種類ごとの特徴や電気代の計算方法、さらに具体的な節約テクニックまで、実用的な方法をご紹介します。ぜひ、参考にしてみてください。
加湿器のタイプは4つある
加湿器には、超音波式、スチーム式、気化式、ハイブリッド式の4つのタイプがあります。それぞれタイプごとにメリット・デメリットがありますので、ご自身の希望に合わせて加湿器を選ぶことが大切です。
メリット | デメリット | |
超音波式 | 電気代が安い コンパクトでデザイン性がある | 加湿ムラがある 周辺が濡れてしまう こまめなお掃除が必要 |
スチーム式 | 加湿能力が高い 清潔に使用できる | 電気代が高い やけどに注意 |
気化式 | 広い範囲を加湿できる | 加湿能力は低め 運転音が大きい |
ハイブリッド式 | 電気代をおさえながら高い加湿能力を持つ | 本体が大きい 価格が高い |
超音波式加湿器
超音波式加湿器は、超音波技術を使って水を細かいミスト(霧)状にして放出する仕組みの加湿器です。
大きなメリットとして、消費電力が小さいことから電気代が安くなることがあげられます。また、構造がシンプルなために小さく、デザイン性の高いものが多く発売されています。インテリアの面でもおしゃれなモデルを選んで楽しむことができます。
デメリットは、ミストの粒子が細かいため加湿にムラが発生しやすいこと、また加湿器周辺の壁などが濡れてしまうことです。
また、超音波式加湿器は加熱処理をせず、フィルターも通さないため、タンク内に雑菌やカビが発生しやすいこともデメリットとしてあげられます。タンク内が汚れたまま加湿器を使い続けてしまうと、雑菌やカビを空気中にまき散らしてしまいますので、加湿器をきれいに保つためにも、こまめな掃除が必要です。
お手入れ回数が多くなりやすいので、忙しい方には向いていないタイプの加湿器かもしれません。
スチーム式加湿器
スチーム式加湿器は、水をヒーターで加熱し、水蒸気を発生させて加湿する仕組みです。お湯を沸かす際に出てくる水蒸気を加湿に利用しているイメージです。
メリットとしては、水を沸騰させて加湿するため加湿能力がほかのタイプと比べて高いことです。水を加熱しているために雑菌やカビの発生もおさえられ、清潔に使用できる点もメリットになります。
いっぽうデメリットですが、その仕組み上、ヒーターを使用するために消費電力が高く、結果として電気代も高くなりやすいです。また、熱をもった水蒸気が発生しますので、吹き出し口が熱く、やけどをしてしまうリスクもあります。小さなお子さんがいる家庭では注意が必要で、なるべく転倒したりしないような場所に置くことも必要です。
気化式加湿器
気化式加湿器は、水を含んだフィルターに風を送り、その水分を気化させることで室内を加湿します。イメージとしては、濡れたタオルに扇風機で風を当てているような感じです。このタイプの加湿器はファンを使って風を送るため、広範囲を加湿することができます。ただし、加湿能力はそれほど高くありません。
気化式加湿器のメリットは、消費電力が小さいため電気代が安くすむことです。いっぽうで、気化熱によって部屋が冷えやすくなるというデメリットもあります。また、機種によってはモーター音やファンの風音が大きくなるため、音が気になる方もいるでしょう。
ハイブリッド式加湿器
ハイブリッド式加湿器には、大きく分けて次の2種類があります。
- 超音波式とヒーターを組み合わせたもの
- 気化式とヒーターを組み合わせたもの
超音波式とヒーターの組み合わせ
このタイプは、ヒーターで加熱した水を超音波によってミスト(霧)状にして放出するものです。水を加熱して放出するため、加湿能力が高いのがメリットです。ただし、超音波式加湿器同様、床や壁が濡れてしまうことがあるのがデメリットです。
気化式とヒーターの組み合わせ
これはフィルターに当てる風を温風にすることで、加湿能力をアップさせたものです。ファンが搭載されているため、効率よく広範囲を加湿できるのがメリットです。機種によっては、設定湿度に達すると気化式のみにシフトして消費電力をおさえられるものもあります。ただし、本体価格が他の種類の加湿器に比べて高い傾向があるのがデメリットです。
加湿器の電気代は?
次に、電気代の計算式を確認しておきましょう。電気代の計算にはその家電製品の消費電力、使用時間、また電気料金単価が必要になります。計算式は以下のようになります。
消費電力(W)÷ 1,000 × 使用時間(h)× 電気料金単価(円/kWh)
それでは、先ほどご紹介したタイプごとに加湿器の具体的な電気代を見てみましょう。
超音波式加湿器の電気代
超音波式加湿器は消費電力が低いことが特長です。例えば、スリーアップ(THREEUP)のHFT-1622 アロマ加湿器 Float (フロート) M(6畳目安)の消費電力は25Wとされています。
電気料金単価を30円/kWhと仮定しますと、1時間あたりの電気代は0.75円となります。1日8時間つけていると電気代は6円、1か月(30日)では180円となります。
1時間 | 0.75円 |
1日(8時間) | 6円 |
1か月(30日) | 180円 |
もし、24時間、1か月(30日)つけっぱなしにしていても、電気代は540円とかなりおさえられることが分かります。
スチーム式加湿器の電気代
ヒーターを使用するために消費電力が高くなりやすいのが、スチーム式加湿器です。象印のスチーム式加湿器 EE-TA60 BM(6畳目安)の消費電力は、湯沸かし時は985W、加湿時は495Wとなっています。
こちらも電気料金単価を30円/kWhとして計算しますと、湯沸かしの1時間には約29.6円かかり、その後加湿では1時間で約14.9円、1日8時間つけていると約119.2円、1か月(30日)では約3,576円となります。
湯沸かし時 | 加湿時 | |
1時間 | 約29.6円 | 約14.9円 |
1日(8時間) | ー | 約119.2円 |
1か月(30日) | ー | 約3,576円 |
スチーム式の加湿器は消費電力が大きいため、他のタイプよりも電気代が高くなることが分かります。
気化式加湿器の電気代
気化式の加湿器についてはパナソニックのヒーターレス気化式加湿機(中小容量タイプ) FE-KFW07(12畳目安)をもとに電気代を計算してみましょう。こちらのモデルは運転モード「中」での消費電力が6Wとなります。
電気料金単価を30円/kWhとして計算すると、1時間の電気代は約0.2円、1日8時間使用しても約1.6円、1か月(30日)では約43.2円とかなり電気代は安いことが分かりました。
1時間 | 約0.2円 |
1日(8時間) | 約1.6円 |
1か月(30日) | 約48円 |
ハイブリッド式加湿器の電気代
ハイブリッド式加湿器はシャープのハイブリッド式プラズマクラスター加湿器HV-S55を例として計算してみます。こちらのモデルの消費電力は190Wとされています。
電気料金単価を30円/kWhとしますと、1時間の電気代は5.7円、1日8時間使用で45.6円、1か月(30日)では1,368円となります。
1時間 | 5.7円 |
1日(8時間) | 45.6円 |
1か月(30日) | 1,368円 |
ここまで各タイプで加湿器の電気代を比較してきましたが、あくまでも同じ時間使用した場合の電気代を比較したものとなります。加湿器のタイプごとに加湿にかかる時間や加湿できる範囲など加湿能力に差がありますので、その点も踏まえて最適な加湿器を選ぶようにしましょう。
加湿器選びのポイント
加湿器のタイプごとにメリット・デメリット、またそれぞれの電気代をご紹介してきました。ここからは具体的に加湿器を選ぶ際のポイントを解説していきます。
加湿能力が必要十分かチェック
加湿器の加湿能力は製品によって異なり、部屋の広さやタイプに合わせて選ぶことが重要です。加湿能力は一般社団法人日本電機工業会の規格に基づき、「室温20℃、湿度30%時に、1時間あたりに放出できる水分量(mL/h)」で示されています。加湿器の適用床面積もこの加湿能力に応じて設定されています。
加湿能力と適用床面積には、以下の2つの基準があります:
- 気密性が高いお部屋(例: プレハブ洋室)
- 気密性が低いお部屋(例: 木造和室)
たとえば、10畳の和室で使用する場合、適用床面積が10畳(18㎡)以上の加湿器を選ぶことがおすすめです。
使用場所の適用床面積が狭いと、常にフルパワーで運転しても最適な湿度(相対湿度40~60%)に達しない可能性があります。また、吹き抜けなどで天井が高い場合も、使用場所の面積より広い適用床面積の加湿器を選ぶことをおすすめします。
加湿能力の高さ、お手入れのしやすさならスチーム式
加湿能力を重視するなら、スチーム式の加湿器がオススメです。4つの加湿器の中でも、スチーム式は特に優れた加湿能力を持っています。
スチーム式の良いところは、周りの温度に関係なく、常に高い加湿能力を発揮することです。なので、室温が変わっても心配ありません。ただし、スチーム式は電力を多く使うため、電気代が高くなることがありますし、熱い蒸気を使うため、やけどのリスクもある点に注意が必要です。ですので、電気代をできるだけおさえたい方や、小さなお子さんがいるご家庭にはあまり向いていないかもしれません。
また、お手入れをできるだけ簡単にしたい方にも、スチーム式の加湿器がオススメです。
スチーム式の加湿器は、運転中にタンク内部が加熱されるため、雑菌やカビがほとんど発生しません。お手入れもとても簡単で、タンク内部や蒸気の吹き出し口に付いたカルキを取り除くだけで済みます。タンクにクエン酸を入れ、加湿器のお手入れモードを選ぶだけで、手間がいらず清潔に保てます。
電気代をおさえたいなら超音波式か気化式を選びましょう
電気代をおさえながら加湿器を使いたいなら、超音波式か気化式がオススメです。この2つのタイプは、ヒーターを使わないため、電力消費が少なくて済みます。
ただし、電気代はおさえられますが、加湿能力はそれほど高くないため、その点には注意が必要です。
加湿器の電気代を節約するには?
湿度を適切に管理する
加湿器の設定湿度を適切に管理することも重要です。湿度が高すぎると、加湿器が無駄に運転し続けることになり、電気代がかさんでしまいます。最適な湿度(40〜60%)を保つようにし、湿度計を使って定期的に確認するのも一つの手です。
タイマー機能を活用する
多くの加湿器にはタイマー機能があります。夜間や不在時に自動で切れるように設定することで、不要な電力消費を防ぐことができます。例えば、寝る前にタイマーをセットして加湿器を運転し、朝までに自動でオフになるようにすれば、効率よく電気代を節約できます。
エコモードや自動運転機能を利用する
エコモードや自動運転機能が搭載されている加湿器は、設定した湿度に達すると自動で運転を調整します。これにより、常にフルパワーで運転する必要がなく、電気代を節約できます。これらの機能をうまく活用して、効率的な運転を心がけましょう。
こまめなお手入れをする
加湿器のフィルターやタンクをこまめにお手入れすることで、効率的な運転が可能になります。カルキや汚れが溜まると、加湿器が正常に動作しなくなり、電力を無駄に消費することになります。定期的に掃除をして、常に清潔な状態を保つことが節約につながります。
加湿器の位置を工夫する
加湿器の設置場所も電気代に影響を与えることがあります。壁際やカーテンの近くではなく、部屋の中心に置くことで、均等に加湿され、効率よく電力を使用できます。加湿器が部屋全体に均等に湿気を送ることができる場所に設置するよう心がけましょう。
これらの簡単な工夫を取り入れることで、加湿器の電気代を効果的に節約できます。日常的に実践することで、電気代をおさえながら快適な湿度を保ちましょう。
乾燥する季節に欠かせない加湿器について、この記事ではその電気代と節約方法をご紹介しました。
加湿器は、部屋の広さやご家庭の状況に合わせたタイプを選ぶことが大切です。エアコンなどの暖房器具と併用する場合も多いと思いますが、湿度が上がることで体感温度も上がり、暖房の効率が良くなり節約につながります。また、定期的なお手入れを行うことで、加湿器の能力を維持しながら長く使うことができます。
適切な加湿器を使って、乾燥する冬を快適に過ごしましょう。