こんにちは、まちエネです。
夏の暑さを和らげるために、昔から多くの家庭で愛用されている定番アイテムが「扇風機」です。
暑い季節になると、扇風機は一日中つけっぱなしで使いたいと考える方もいるでしょう。扇風機はエアコンと比べて体を冷やしすぎることが少なく、長時間使用しても快適な空調家電です。しかし、実際に扇風機を長時間使った場合の電気代については、あまり知られていないかもしれません。
今回は、扇風機の電気代をエアコンと比較しながら詳しく解説します。電気代を節約する方法もあわせてご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
電気代の計算方法
まずは一般的な電化製品の電気代を計算する方法を正しく理解しておきましょう。電化製品の電気代を計算する際に必要な情報は「消費電力」と「電気料金単価」です。
1時間あたりの電気代は「1時間あたりの消費電力(kWh)×電気料金単価(円/kWh)」で算出できます。計算式としては以下のようになります。
電気代 = 消費電力(W)÷ 1,000 × 使用時間(h)× 電気料金単価(円/kWh)
電気代を計算する際のポイントは、単位を揃えることです。消費電力は「W(ワット)」ではなく「kW(キロワット)」に換算し、電気料金単価は1kWh(キロワットアワー)あたりの金額を使用します。
kWhとは、1時間に消費する電力量のことです。
通常、消費電力は電化製品に貼られたシールや本体表示などに記載されています。いっぽう、電気料金単価は毎月の使用量を知らせる検針票(電気ご使用量のお知らせ)や電力会社が公開している料金表などで確認できます。
扇風機の電気代は?
扇風機の消費電力はおおよそ40Wほどです。ここでは例として電気料金単価は30円/kWhとして、電気代の計算式に当てはめて計算してみましょう。40(W)÷ 1,000 × 1時間 × 30円/kWh = 1.2円
扇風機を1時間使った場合の電気代はおおよそ1.2円ということです。もし24時間使えば、電気代は28.8円ということになり、1か月間(31日)つけっぱなしで扇風機を使った場合には、電気代は892.8円ということになります。
使用時間 | 電気代 |
1時間 | 1.2円 |
1日(24時間) | 28.8円 |
1か月(31日) | 892.8円 |
ACモーターとDCモーターの違い
扇風機に使われるモーターには、「ACモーター」と「DCモーター」の2種類があります。商品によって搭載されているモーターの種類が異なり、性能や使い勝手にも差が生じます。
ACモーターは従来から使用されているタイプで、電流の向きが常に変わる仕組みのモーターです。電圧のプラスとマイナスが定期的に入れ替わることで電流の向きが反転し、壁コンセントなどでも一般的に使われています。
一方、DCモーターは比較的新しく採用されたタイプで、電流の向きが一方向に固定された直流電流で動くモーターです。
DCモーターを搭載した扇風機は、ACモーターの扇風機よりも風量設定が細かく調整でき、「弱」よりもさらに弱い「微風」などを作り出すことができます。そのため、ACモーターを使った扇風機よりも価格が高い傾向にあります。
ただし、電気代に関しては、ACモーターよりもDCモーターの方が一般的に低く、商品によっては、電気代が10倍ほどの差が出る場合もあります。
扇風機とエアコンの電気代比較
エアコンと同様に、多くの人が利用している空調家電に扇風機がありますが、電気代はどちらが安いのでしょうか。
結論として、同じ時間使用する場合、エアコンよりも扇風機の方が電気代は安くなりますが、あらためて先ほどの式を使い、計算してみましょう。
電気料金単価は使用する電化製品によって変わらないため、ここでは1kWhあたり30円として計算します。
まずエアコンの場合、消費電力が500Wのタイプを使用したとすると、1時間あたりの電気代は500W ÷ 1,000 × 30円/kWh = 15円です。
一方、扇風機の場合、ACモータータイプを「強」設定で使用したと仮定し、消費電力が40Wの場合、1時間あたりの電気代は40W ÷ 1,000 × 30円/kWh = 1.2円です。
このように、同じ1時間の使用でもエアコンの電気代は扇風機の約12.5倍にもなります。使用する製品によって消費電力が異なるため一概には言えませんが、扇風機の方が時間あたりの電気代は明らかに安くなります。
上手く使い分けて節約を実現
電気代を節約するためには、扇風機だけを使う方法が有効ですが、実際には扇風機とエアコンを上手く使い分ける方法がより現実的です。
扇風機だけでは暑さに耐えられなかったり、直接風に当たって涼を取ると動きが制限されたり、直接風を送れる範囲も狭かったりと、生活しにくい場面が出てきます。
例えば、暑さが厳しい時間帯や風がない時にはエアコンを使用し、朝晩など気温が下がった時や室内に風が通る時には扇風機を使うと効率的です。1日中エアコンを使用するよりも、エアコンの代わりに電気代が安い扇風機を使うことは、電気代を抑えることができる効果的な節約術となります。
併用することも電気代の節約になる
エアコンはその機能上、お部屋の温度と設定されている温度に差があるほど消費電力が大きくなります。そのため、猛暑の中低い設定温度にすると、より多くの電気を消費します。消費電力が多くなると電気代も高くなってしまいます。
そこで、扇風機と併用することでエアコンからの冷気をうまくお部屋全体に循環させ、設定温度を下げずに、快適に過ごすことができます。(参考:経済産業省 資源エネルギー庁 家庭向け省エネ関連情報 無理のない省エネ節約)
エアコンの電気代や節約方法についてはこちらのコラムで詳しくご紹介しています。
電気代の見直しでは契約電力プランの再検討も
電気代を抑えるには、使用時間を短くしたり、消費電力の小さい省エネモデルへの買い替えなどが手段として挙げられますが、電気代の計算式における電気料金単価を低くすることも手段の一つです。そのためには現在契約している電力プランを見直してみましょう。
様々な会社が独自のプランを提供しており、時間帯ごとに電気料金単価が安いプランなどもありますので、ご自身の家電の使い方やライフスタイルに合った電力プランに切り替えることで、扇風機などの家電の使い方はそのままに、電気代をおトクにできるかもしれません。
まちエネでも様々な料金プランを取り揃えておりますので、ぜひ一度チェックしてみてくださいね。
今回は扇風機の電台について、エアコンとの比較などを踏まえて節約ポイントなどをお伝えしてきました。賢く電気を使って、快適でおトクな生活を実現しましょう。