こんにちは、まちエネです。
日常的に使う電気、その使用量を計測するための機器「スマートメーター」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
スマートメーターは、今や多くの家庭や企業に設置されている新しいタイプの電気メーターです。このデジタル技術を使ったスマートメーターは、ただ電気を計測するだけでなく、リアルタイムでデータを電力会社に送信し、消費者にも電気の使用状況をわかりやすく伝えてくれます。
今回はスマートメーターの特徴や機能、そして私たちの生活にどんなメリットをもたらすのか、詳しく見ていきましょう。
スマートメーターは通信機能が搭載された電気メーター
スマートメーターは、従来のアナログ電力メーターに代わる新しいデジタルメーターです。以前は電気の使用量をただ表示するだけで、毎月の検針は現地で検針員が行っていました。しかし、スマートメーターは通信機能を備えているため、電力会社が遠隔からリアルタイムで電気使用量を確認できるようになっています。
これにより、電気の使い方をより細かく把握できるようになり、消費者自身も自宅の消費電力を手軽にチェックすることが可能になります。さらに、スマートメーターはエネルギーの効率的な利用や電力の最適化に貢献し、電力会社と消費者の双方に多くのメリットをもたらす重要なツールとして注目されています。
スマートメーターの機能
スマートメーターには、さまざまな便利な機能が詰まっています。具体的にどんなことができるのか、見ていきましょう。
自動でデータを送信する通信機能
スマートメーターの一番の特徴は、電気の使用量を自動で電力会社に送信できる「通信機能」です。地域ごとに定めている毎月の計量日に遠隔でデータを送信しています。
30分ごとの電気使用量を計測
スマートメーターは、電気の使用量を30分ごとに計測することが可能です。従来の検針は月に1度でしたが、スマートメーターならより細かく電気使用量を確認でき、使い方の変化をタイムリーに把握することができます。
ブレーカー機能で自動復旧
スマートメーターには、ブレーカー機能もついています。従来は契約アンペアを超えると家のブレーカーが落ちて手動で復旧させる必要がありましたが、スマートメーターでは一時的にブレーカーが落ちても、約10秒後に自動で復旧します。これにより、分電盤のブレーカーをわざわざ操作する手間が減ります。
ブレーカーとその役割についてはこちらのコラムをご覧ください。
消費電力を見える化するHEMS連動
スマートメーターは、HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)と連携して、家庭の消費電力を「見える化」することができます。HEMSは家電の消費電力を管理して省エネを図る仕組みです。スマートメーターとHEMSを組み合わせると、家の中でどの家電製品がどれだけ電気を使っているかがわかり、より効率的な節電が可能になります。
カーボンニュートラルに向けた取り組み
2020年、日本政府は2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を目指すことを宣言しました。家庭から出る二酸化炭素の7割は電気の使用に由来しています。スマートメーターとHEMSを活用することで、家庭のエネルギー消費を抑え、地球環境にも貢献できます。
スマートメーターの導入は、家庭でも簡単に省エネを実現できる便利なステップです。
スマートメーターの取付けによるメリット
スマートメーターがもたらすメリットは、消費者にとって大変大きいです。スマートメーターの自動計測、送信機能によってどんなメリットが生まれているのかご紹介します。
- 電気使用量の可視化による節電効果
スマートメーターがあれば、自宅の電気の使い方が一目でわかります。専用アプリやウェブサイトでリアルタイムに電気使用量を確認できるので、無駄な消費電力を見つけて節電するのが簡単です。これにより、電気代を節約する手助けになります。 - 自動検針により訪問が不要になる
スマートメーターは自動でデータを送るため、検針員が直接メーターを読み取る必要がありません。電力会社としては訪問検針の手間が省け、検針時の計測ミスのリスクも減ります。毎月の電気使用量の確認や請求書の受け取りもスムーズに進みます。また、消費者としては自宅に知らない人が来ることでの防犯リスクがなくなります。 - よりご家庭にあった電気料金プランを選びやすくなる
スマートメーターのおかげで、ご家庭の電気の使い方が見えますので、電気の使用パターンに合わせた電気料金プランが利用しやすくなります。リアルタイムでのデータをもとに、最適なプランを選ぶことで、電気代を無駄なく節約することができます。 - 離れて暮らしている家族の見守りにも使用できる
スマートメーターから見える電気の使用量は生活をのぞくことにもつながります。一部の電力会社ではこのスマートメーターの電気使用量が少ない場合に、電話で確認をすることや訪問して様子を見てくれるサービスを提供しています。高齢者がおひとりで暮らしている場合や、電気使用量が急に少なくなったなどの場合に、安全を確認することができるという点もメリットとしてあげられます。
スマートメーターを導入することで、これまでの電力管理が大きく変わり、生活がもっと便利になります。
スマートメーターのデメリット
スマートメーターには多くのメリットがありますが、デメリットと考えられる点もありますのでご紹介します。
- 世帯情報の漏洩リスク
スマートメーターは電気の使用状況が分かるものですので、もしその計測データが漏洩してしまうと、どの時間帯に不在なのか、何人ぐらいで暮らしているのかなどを推測されてしまう恐れがあります。
各電力会社はスマートメーターのセキュリティ対策を徹底し、また電力業界としても電気事業連合会が主導し共通の安全基準などを策定・見直しするなど情報セキュリティへの取り組みを行っています。
スマートメーターはいつ設置される?
スマートメーターの設置タイミングはいくつかあります。
スマートメーターは一般送配電事業者(地域の電力会社)の所有物となり、導入にあたっては購入費用や工事費用はかかりません。一部、住宅の環境をみてスマートメーターの設置が難しいと判断された場合には追加で工事費用がかかることがあります。
電力会社を変更したとき
電力会社を変更すると、スマートメーターに切り替わるケースが多いです。2016年4月の電力自由化以降、利用者は従来の電力会社だけでなく、新たに参入した「新電力」も含めて自由に選べるようになりました。自分に合った料金プランやサービスを利用したいときは、電力会社の変更を検討してみましょう。
メーターの検定有効期間が切れたとき
電力メーターには使用できる期間が法律で定められており、通常は10年です。この検定有効期間が終了したとき、従来のメーターが設置されていた場合はスマートメーターに交換されます。壊れていなくても、期限が来ると取り替えが必要になるため、自然なタイミングでのスマートメーター導入が進んでいます。
HEMSなどの電力管理サービスを申し込んだとき
HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)など、電力使用状況を管理できるサービスを利用する場合も、スマートメーターへの切り替えが行われます。電化製品ごとの電力使用量やピーク時の消費量を細かく把握できるようになり、省エネに役立ちます。
新築したとき
最近の新築住宅では、初めからスマートメーターが設置されることが一般的です。
スマートメーターへの切り替えは、電力会社の変更やメーターの有効期限、新築やHEMS導入のタイミングで自然に行われることが多いため、特別な手続きなくスムーズに導入できます。
スマートメーターは、家の省エネをサポートするだけでなく、遠くに住んでいる家族を見守るサービスなど、いろんな使い方が期待されています。特に、スマートメーターが自動で計測するデータを活用すれば、電気の使い方が「見える化」されて、ムダな電気を使わずに済むようになります。
電気の使い方がはっきりわかると、今の生活に合った電力プランに変えることも考えられます。今は多くの電力会社が、夜間に電気が安くなるプランや、太陽光などの再生可能エネルギーを利用したプランなど、いろいろな選択肢を用意しています。
スマートメーターを使ってご自身の電気の使い方を確認したら、それにぴったりのプランに切り替えることで、電気代をもっと節約できるかもしれません。環境にもやさしい暮らしを目指して、賢く選んでみましょう!