こんにちは、まちエネです。
家電製品はスイッチを入れた瞬間や使い方次第で、消費電力が高くなることがあります。
では、家電製品の消費電力が例えば1,000W と記載されていた場合、実際それが電気代としてはいくらになるか、すぐにわかるでしょうか?おおよその目安では、消費電力が1,000Wの家電製品の場合、1時間の電気代は30円、24時間で720円です。(電気料金単価は30円/kWhで計算)
このコラムでは1,000Wの家電製品の実際の電気代を算出する計算方法を解説します。また、節電のコツも紹介しますのでぜひ、参考にしてください。
ワット(W)数と電気代の関係を把握できれば、実際に使っている家電製品のワット(W)数からおおよその電気代を予測できるので、節電のコツをつかみやすくなります。
1,000Wの家電製品を使うと電気代はいくら?
では、電気代の計算方法について解説します。詳しくは「電気代の計算方法は?計算方法を理解して、電気代がなぜ高くなったり安くなったりするのか理解しよう!」で解説していますが、計算式は次のとおりです。
電気代=消費電力(W)÷1,000×使用時間(h)×電気料金単価(円/kWh)
上記の式に従い、消費電力1,000Wの電気代を計算してみましょう。使用時間は1時間、電気料金単価は30円/kWhとして算出します。
1,000(W)÷1,000×1(h)×30(円/kWh)=30円
この式から、消費電力1,000Wの家電製品を1時間使った場合の電気代は30円、1日(24時間)使うと720円となります。
さらに、消費電力1,000Wの家電製品を1日4時間使った場合の電気料金を、1日、1か月(30日)、1年(365日)単位で算出してみましょう。
なお、電気料金単価は同じく30円/kWhで計算しますが、契約中の会社、プランにより単価は変わる場合もある点は注意が必要です。
1日4時間使った場合の電気代 | |
1日 | 120円 |
1か月(30日) | 3,600円 |
1年(365日) | 43,800円 |
1,000Wの家電製品を毎日4時間使っていると、1年間で43,800円です。つまり何も節約しないと40,000円以上かかってしまうため、しっかりと節約しないとかなりの出費となってしまいます。
1,000Wは1kWh
ちなみに1,000W=1kWhです。よく電力会社から送られてくる検針票(電気ご使用量のお知らせ)では、このkWhが電気使用量の単位として記載されています。
1,000W=1kWhとして、1kWhあたりの電気料金がどれくらいなのかも、電気代を把握するために役立ちます。また、このkWhあたりの電気料金が電力会社ごとに異なっているため、詳しくはこちらのコラムをご参考ください。
参考:まちエネコラム「1kWhあたりの電気代はいくら?電気代の仕組みや電力会社ごとに単価が異なる理由を解説」
消費電力1,000Wの家電製品とその電気代の例
家庭でよく使われている消費電力が1,000Wの家電製品としては、次のようなものがあります。
- IHコンロ(クッキングヒーター)
- セラミックヒーター
- エアコン(12畳用)
これら1,000Wの電力を消費する家電製品を使うことで、平均的にどれぐらいの電気代がかかるかを見てみましょう。ただし、家電製品はその種類や使い方により、常に一定の消費電力ではない点にご注意ください。
IHコンロ(クッキングヒーター)の電気代
IHコンロ(クッキングヒーター)は利用時の火力によっても消費電力は大きく変わります。ここでは、中火から強火で、おおよそ1,000Wの電力を消費する場合の電気料金を計算してみましょう。
中火から強火でIHコンロを利用する場合、それほど長時間使うことはありません。そこで、10分、30分、1時間使った場合の電気料金を算出します。
利用時間 | 電気代 |
10分 | 5円 |
30分 | 15円 |
1時間 | 30円 |
調理方法にもよるものの、強火で1時間使い続ける必要のある料理を作った場合でも、電気代は30円程度です。ただ、電気代を節約するという観点で考えるのであれば、火力の調節を使いこなすことが重要といえるでしょう。
セラミックヒーターの電気代
セラミックヒーターとは、セラミックで覆われた電熱線を電気で加熱して、ファンで温風を送り出す暖房器具です。種類にもよりますが、コンパクトサイズのものであれば、家のなかで持ち運びもできるため、幅広い使い方ができます。
今回は、1時間、4時間、8時間使った場合の電気代を計算してみましょう。
利用時間 | 電気代 |
1時間 | 30円 |
4時間 | 120円 |
8時間 | 240円 |
参考: THREE UP CERAMIC HEATER CH-T2038人感センサー付セラミックヒーター
ガスや灯油を使わないため、子供部屋でも比較的安心して使えるものの、長時間利用が続けばそれなりの電気代になってしまう点は注意が必要です。
エアコン(12畳用)の電気代
エアコンは、利用する部屋の大きさにより種類も消費する電力も異なります。一般的に消費電力が1,000Wのエアコンは12畳用のものが多く、リビングやリビングダイニングなど、かなり大きな部屋で利用可能です。
ここでは、リビング利用で3時間、6時間、12時間利用した場合の電気料金を算出してみます。
利用時間 | 電気代 |
3時間 | 90円 |
6時間 | 180円 |
12時間 | 360円 |
参考:日立の家電品 仕様:ルームエアコン Xシリーズ
12畳用となると、リビングのように家族が集まる場所、長時間滞在するような場所に設置することになるため、夏と冬でそれなりの電気代になってしまうでしょう。
1,000Wの家電製品の節約方法
今回紹介した消費電力1,000Wの家電製品を、節約して効率的に活用するポイントを紹介します。
IHコンロ(クッキングヒーター)の節約方法

IHコンロ(クッキングヒーター)の電気代節約方法は次のとおりです。
- 熱伝導率の高い鍋を使う
IHコンロで調理をする場合、IHコンロ対応鍋のなかでも、ステンレスや鉄製の熱伝導率が高い鍋を使うのがおすすめです。短時間で温まるため、調理時間を短縮でき、結果として電気代の節約につながります。
- ガスや電子レンジと併用する
例えば、電子レンジで野菜の下茹でをしておけば、IHコンロを使う時間の短縮が可能です。同様にパスタやラーメンをつくる際は、ガスでお湯を沸かしてからの方がIHコンロを使う時間は短くて済みます。
他の調理家電や熱源をうまく活用することで、IHコンロ単体で使うよりも電気代の節約が可能です。
- 節電モードを使う
IHコンロには、節電モードが搭載されているものもあります。この節電モードを使えば、トータルでの電気代節約が可能です。
セラミックヒーターの節約方法

セラミックヒーターの電気代節約方法は次のとおりです。
- リビングやダイニングなど広い部屋では使わない
セラミックヒーターは、基本的に広い部屋全体を暖めるのではなく、狭い範囲を暖めるのに適した暖房器具です。そのため、リビングやダイニングなどの広い部屋ではなく、脱衣所や台所など狭い場所で利用するようにしましょう。
- 温度設定をこまめに調節する
長時間にわたって高い温度設定にしていると、電気代も高騰してしまいます。ある程度暖まったら設定温度を下げましょう。利用している場所の温度にあわせたこまめな調節が、電気代の節約につながります。
- 人感センサーや省エネ設定があるタイプを使う
人感センサーや省エネ設定が搭載されているタイプを使うのもおすすめです。人がいないときや一定の温度になると自動で電源がオフになり、人が来たり温度が下がったりするとまた電源がオンになる設定にすれば、電気代を節約できます。
- エアコンと併用する
リビングやダイニングなど広い部屋の場合、エアコンをつけてもすぐに全体が暖まるわけではありません。
そのため、エアコンとセラミックヒーターを併用し、部屋全体が暖まるまでの間はセラミックヒーターを使うようにすれば、寒い時間がなくなる上、電気代も節約できます。
エアコン(12畳用)の節約方法

エアコン(12畳用)の電気代節約方法は次のとおりです。
- サーキュレーターを使う
冷房の冷たい風は下へ、暖房の暖かい風は上に滞留するため、サーキュレーターを使うのがおすすめです。サーキュレーターで部屋の空気を循環させれば、エアコンを効率よく運転できるようになり、部屋全体が涼しく、もしくは暖かくなります。
- 短時間の外出ならつけっぱなしにしておく
エアコンがもっとも電力を消費するのは、電源をオンにした瞬間です。そのため、電源のオンとオフを繰り返すことが電気代の高騰につながります。エアコンの種類にもよるものの、一般的に30分程度の外出であれば、電源をオフにしない方が電気代の節約につながるでしょう。
- フィルター清掃を行う
フィルターに埃やゴミが溜まった状態だと室内の空気をうまく取り込めなくなり、冷房・暖房効率も低下します。
そうなれば、部屋が涼しくなるにも暖かくなるにも余計に時間がかかり、電気代も高くなるため、フィルターは定期的に清掃しましょう。冷暖房を使う時期は2週間に1回程度の清掃がおすすめです。
- 室外機の設置場所に気をつける
特に冷房を使う場合、室外機が熱を持ってしまうと効率的な放熱ができなくなり、部屋の温度も下がらなくなってしまいます。適切な放熱をさせるためには、室外機はできるだけ日陰に設置するか、日除けカバーをつけるようにしてください。また、周辺に障害物を置かないようにすることも重要です。
- 温度設定に気をつける
エアコンの温度設定は1℃調節するだけでも、消費電力は削減されます。一般的に夏は28℃、冬は20℃が推奨されていますが、状況に応じて温度設定をすることでも電気代の節約が可能です。
電力プランの変更も節約につながります
消費電力1,000Wは家電製品のなかでも比較的高い電力を消費する部類に含まれます。そのため、適切な使い方をするのはもちろん、製品ごとに適切な節約をすることで電気代の削減が可能です。
また、電気代の節約を検討している方は、家電製品の節約以外に電力会社の切替え、電気料金のプラン見直しも検討されることをおすすめします。
電気料金は電気料金単価が基本となって決まるため、電気料金単価の低いプランへの切替えも検討してみましょう。