
こんにちは、まちエネです。
梅雨の季節がやってくると、家の中がジメジメして過ごしにくくなります。そんな時に活躍するのが除湿機です。快適にすごすためにも除湿機をつけっぱなしにしたいところですが、電気代が気になるのも事実。そこで、除湿機を上手に使いながら電気代を節約するコツを知っておくと、快適さを保ちながら節約もできて一石二鳥です。
除湿機の電気代は、1時間あたり約5円~10円ほどとなっています。もちろん除湿機の方式や使い方で電気代は変動していきますが、電気代の仕組みを理解していくことでよりおトクに除湿機を使えるかもしれません。
このコラムでは、除湿機の基本的な使い方やエアコンの除湿機能との違い、電気代の比較などをわかりやすく解説していきます。そして、除湿機を効果的に使って電気代を節約する方法もご紹介します。快適で節約上手な梅雨の過ごし方を見つけてみませんか?
除湿機の3つの方式とそれぞれの特徴
おもに梅雨の時期に大活躍する除湿機ですが、その仕組みについて詳しく知っておくと、より効果的に使うことができます。
実は除湿機には主にコンプレッサー方式、デシカント方式、ハイブリッド方式の3種類があり、方式によってオススメの使用時期が違います。それぞれの仕組みを簡単にご紹介します。
コンプレッサー方式 | デシカント方式 | ハイブリッド方式 | |
仕組み・特徴 | 湿った空気を冷やして水分に変える | 乾燥材を使って空気中の湿気を取り除く | コンプレッサー方式とデシカント方式を切り替えながら除湿 |
おすすめの使用時期 | 夏場、梅雨の時期 | 冬場 | 通年 |
それではもっと具体的に、それぞれの方式について解説していきます。
コンプレッサー方式の除湿機
コンプレッサー方式の除湿機は、冷媒を使って空気を冷やし、水分に変えて除湿をしています。
- 空気の取り込み::除湿機が部屋の空気を吸い込みます。
- 冷却と凝結::冷却装置で空気を冷やし、水に変えます。
- 水分の排出::水は除湿機内のタンクに溜められ、乾燥した空気が再び部屋に戻されます。
この方式の除湿機は気温が高い夏場や梅雨の時期に特に効果を発揮してくれます。またエネルギー効率が良いため電気代が比較的安いことも特徴です。ただ、本体サイズがやや大きく、運転音が大きいというデメリットもあります。
デシカント方式の除湿機
デシカント方式の除湿機は、乾燥剤であるゼオライトを使って空気中の水分を吸収し除湿しています。
- 空気の取り込み:除湿機が部屋の空気を吸い込みます。
- 水分の吸収:乾燥剤が空気中の水分を吸収します。
- 再生と排出:ヒーターで空気を暖めて除湿し部屋に戻します。
デシカント方式ではヒーターで温めた空気が吹き出します。温風が出てくることになりますので部屋の温度を少し上げるため、冬場に使用するといいでしょう。運転音が小さく軽量なのが特徴ですが、ヒーターを使用するために消費電力が大きく電気代は高くなります。
ハイブリッド方式の除湿機
ハイブリッド方式の除湿機は、コンプレッサー方式とデシカント方式の両方の仕組みを組み合わせたものです。
- コンプレッサーの利用:夏場や梅雨の時期などの気温が高い時期にはコンプレッサー方式を使用し、高いエネルギー効率で除湿を行います。
- デシカントの利用:気温が低い時期にはデシカント方式を使用し、効果的に除湿を行います。
この方式は、季節や室温に応じて最適な除湿方法を選択できるため、年間を通じて効率的に使用できます。とても利便性の高い方式ですが、本体サイズが大きく価格も高めになっている点は注意しましょう。
3つの方式の除湿機の基本的な仕組みを理解しておけば、自分の生活スタイルや環境に合った除湿機を選ぶ際の参考になります。
それぞれの方式には異なる特徴やデメリットがありますので、使用する環境に応じて最適なモデルを選ぶようにしましょう。
エアコンの除湿モードとは何が違うの?
エアコンにも除湿モードが搭載されていることが多いですが、除湿機とはどんなところが違うのでしょうか。実は、エアコンの除湿モードは仕組みとしてはコンプレッサー方式の除湿機と似ています。
空気を冷却することで水分をつくり、除湿した空気を部屋に戻している点は同じです。しかしエアコンの場合には除湿専用の除湿機に比べると効果が低く、またエネルギー効率も高くないため電気代が高くなりやすい傾向にあります。
エアコンは冷房、暖房と機能をそろえており、温度調整が得意な家電ですので、除湿機とうまくすみわけて購入し、使い分けるようにしましょう。
エアコンの電気代や節約の方法についてはこちらのコラムで詳しくご案内しておりますのでご参考ください。またエアコンを使う際に冷房と除湿ではどちらが良いのかについてはこちらのコラムで解説しています。
除湿機の電気代

除湿機の電気代は、機種や使用方法によって異なります。ここでは、コンプレッサー方式、デシカント方式、ハイブリッド方式の3種類の除湿機それぞれについて、電気代の目安をみていきましょう。
まずはあらためてですが、電気代の計算式を確認しておきます。電気代は 消費電力(W)÷ 1,000 × 使用時間(h)× 電気料金単価(円/kWh)にて求めることができます。
結論として、除湿機の電気代は1時間あたり約5円~10円、24時間つけっぱなしでは約113円~220円、1か月では約3,400円~6,600円となりました。細かい内訳をみていきましょう。
コンプレッサー方式の除湿機の電気代
コンプレッサー方式の除湿機は、夏場に効果的でエネルギー効率が高いのが特徴です。ここではアイリスオーヤマのコンプレッサー方式除湿機DCE-6515(175W)を例に電気代を計算してみます。
使用時間 | 電気代 |
1時間 | 約4.73円 |
1日(24時間) | 約113.52円 |
1か月(30日) | 約3,406円 |
デシカント方式の除湿機の電気代
デシカント方式の除湿機は、冬でも効果的に使用できるのが特徴です。ここではPanasonicのデシカント方式除湿機F-YZXJ60B(280W)を例に電気代を計算してみます。
使用時間 | 電気代 |
1時間 | 約7.56円 |
1日(24時間) | 約181.44円 |
1か月(30日) | 約5,443円 |
ハイブリッド方式の除湿機の電気代
ハイブリッド方式の除湿機は、季節や室温に応じて最適な方式を選択できるため、年間を通じて効率的に使用できます。ここではPanasonicのハイブリッド方式除湿機F-YHX200B(340W)を例に電気代を計算してみます。
使用時間 | 電気代 |
1時間 | 約9.18円 |
1日(24時間) | 約220.32円 |
1か月(30日) | 約6,610円 |
単純な電気代を比較しますと、コンプレッサー方式が一番安いという結果になっています。もちろん、どんなシーンでどのくらいの時間を運転するかによって電気代は変動します。
また今回は電気料金は1kWhあたり27円として計算していますが、地域や契約プランによって異なる場合がありますので、実際の料金を確認しながら使用することをおすすめします。
除湿機を使う環境や使用モードでも電気代は変わります

除湿機のおおよその電気代は計算できましたが、実際の電気代は様々な要因に左右されます。
除湿機はそのお部屋の湿度によって、運転の度合いも変わります。例えば、木造のお家と鉄筋のお家では除湿可能面積の目安が変わるため、同じ広さのお部屋でも木造か鉄筋かで消費電力が変わってくるでしょう。
また、除湿機に備わっている運転モードによっても消費電力は異なります。先ほどハイブリッド方式にて取り上げたPanasonicのハイブリッド方式除湿機F-YHX200Bでは、その仕様カタログにて消費電力が梅雨は340Wとされていますが、速乾では830Wとされています。
電気料金単価を27円/kWhとすると、1時間つけたとき、梅雨は約9円ですが、速乾では22.4円かかることになります。除湿機を購入する段階から、どんなお部屋でどのように使用するのかイメージしておくことで、ピッタリの除湿機をみつけて効率よく使えるでしょう。
除湿機の節約方法
除湿機のおおよその電気代はつかんでいただけたかと思います。それではここから、除湿機の電気代を節約するための方法をご紹介します。除湿機の電気代を節約するにはおもに以下のようなことに気を付けてみましょう。
- サーキュレーターと併用する
- 除湿機のお手入れをこまめにおこなう
- 古い除湿機を買い換える
- 運転モードに気をつける
サーキュレーターと併用する

サーキュレーターは空気を循環させることに特化した家電です。これを併用することで、除湿機の風を効率よく循環させられます。
次にご紹介する運転モードにも関わりますが、サーキュレーターでうまく除湿した空気をお部屋に循環させることができれば、弱モードでも十分な効果を得ることができ、電気代の節約につながるかもしれません。
運転モードに気をつける
多くの除湿機には「弱」「強」「速乾モード」などの運転モードがあります。「強」や「速乾モード」で運転すると消費電力が高くなりがちですので、できるだけ「弱」などの低消費電力モードで運転するようにしましょう。
除湿機のお手入れをこまめにおこなう
除湿機の機能を維持するためには、こまめなお手入れが必要です。お手入れを怠るとフィルターにホコリが溜まり、目詰まりを起こして除湿能力が低下します。
除湿効率が悪くなることで余計な電力が必要になり、運転時間が長くなってしまう可能性があります。また、ホコリがたまると故障や臭いの原因にもなりますので、2週間に1回程度はフィルターのお手入れを心がけましょう。
古い除湿機を買い換える
10年以上同じ除湿機を使用している場合、新しい除湿機に買い換えることで電気代を節約できる可能性があります。家電の性能は年々向上しており、最新の除湿機は省エネ性能に優れています。
経済産業省 資源エネルギー庁の省エネ対策の資料の中でも、省エネの除湿機への買換えの促進が掲げられています。
参考:省エネルギー対策について 平成27年4月 経済産業省 資源エネルギー庁
除湿機は弱運転で効率よく使用すれば、電気代が安い家電だといえます。大切なことは、除湿機を使うご自身の環境に合わせた最適な方式の除湿機を選び、効率よく使用することです。梅雨時期に洗濯物の乾燥のためだけに使うのか、冬の結露対策で使うのか。
今回ご紹介した除湿機の特徴や電気代を参考にしながら、おトクで快適な生活を目指しましょう。