こんにちは、まちエネです。
4人家族で暮らしていると、毎月の電気代が気になる方も多いのではないでしょうか。夏や冬はエアコンの冷房や暖房で電気代の出費が増えがちなため、「うちの電気代って、他の家と比べてどうなんだろう?」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。
このコラムでは、4人家族の電気代の全国平均、月別、地域別、建物別の電気代、電気料金の仕組みをご紹介していきます。ご自身の電気代が平均と比べて高いかどうかチェックしてみましょう。
さらに、電気代を節約できる方法も解説しますので、家計の負担を無理せず減らしたい方にも役立つ内容です。このコラムを参考にして、ご家庭の電気代を見直すきっかけにしていただければと思います。
4人家族の電気代平均額:どのくらいが目安?

4人家族の電気代は、居住地域や季節、家の広さや構造、ライフスタイルによって異なりますが、総務省の家計調査統計データによれば、2024年の4人家族の1ヶ月の電気代は12,805円となっています。
| 世帯人数 | 電気代/月 |
|---|---|
| 1人 | 6,756円 |
| 2人 | 10,878円 |
| 3人 | 12,651円 |
| 4人 | 12,805円 |
| 5人 | 14,413円 |
| 6人 | 16,995円 |
参考:総務省統計 家計調査 家計収支編 単身世帯用途分類 001 用途分類(総数) 全国 | 統計表・グラフ表示
4人家族の電気代は2024年の平均で12,805円であることが分かりました。家族が多い場合、大型の家電製品が必要になることが多く、それにともない電力使用量も増えます。
また、家族それぞれが自分の部屋で電気を使うなど、電気を使う場所が分散しやすいため、世帯人数が増えるほど電気代が高くなる傾向があります。
4人家族の月別の電気代平均
4人世帯の電気代は毎月13,000円ほどかかっていることが分かりましたが、総務省の家計調査では月ごとの電気代平均も発表されています。以下は4人世帯の、2024年1月~12月の月別電気代です。
| 月 | 電気代/月 |
|---|---|
| 1月 | 13,492円 |
| 2月 | 14,074円 |
| 3月 | 14,708円 |
| 4月 | 13,473円 |
| 5月 | 11,868円 |
| 6月 | 10,210円 |
| 7月 | 10,949円 |
| 8月 | 13,047円 |
| 9月 | 14,996円 |
| 10月 | 13,700円 |
| 11月 | 11,334円 |
| 12月 | 11,814円 |
データから分かるように、季節によって月ごとに電気代に波があることが分かります。
春と秋は電力消費が比較的少ないため、電気代は平均的に低く抑えられ、日照時間が長く冷房の使用頻度も少ない6月~7月の電気代がもっとも低いことがわかります。
夏(7月~9月)は、暑さが厳しくなる8月頃から冷房の稼働によって電気代が増加することが分かります。
また、冬の電気代(1月~3月)は月平均が高めに推移し、寒さによるエアコンや暖房器具などの需要が高くなることが影響していると考えられます。
エアコンは夏と冬の稼働が多くなりますが、冬の電気代が高くなるおもな理由は、外気温との温度差にあります。冬は外気温が低く、冷え切った室内を設定温度まで到達するために必要なエネルギー量が多くなります。そのため、冷房と比べて暖房の方が消費電力量は大きくなり、電気代が高くなります。
4人家族の地域別の電気代平均
地域別での1か月あたりの電気代は以下のとおりです。
| 地域 | 電気代/月 |
|---|---|
| 北海道地方 | 13,146円 |
| 東北地方 | 15,204円 |
| 関東地方 | 12,697円 |
| 北陸地方 | 16,616円 |
| 東海地方 | 12,617円 |
| 近畿地方 | 11,565円 |
| 中国地方 | 14,676円 |
| 四国地方 | 13,390円 |
| 九州地方 | 11,001円 |
| 沖縄地方 | 12,959円 |
参考:総務省 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯用途分類 001 用途分類(総数)
北陸、東北、中国地方などの日本海側に面した寒冷地は電気代が高く、気候が電気代に大きな影響を与えていることが分かります。
北海道地方も寒冷地のため、電気代が高くなるのでは?と考えられますが、総務省の「家庭部門のCO2排出実態統計調査」によると、灯油やガスをエネルギーとしたセントラルヒーティング(セントラル暖房)システムや床暖房の利用が高いため、電気代が低く抑えられる傾向にあります。
4人家族の一戸建て・マンション別1か月の電気代平均

同じ4人家族の場合でも、一戸建てとマンションなどの集合住宅の違いでどのくらいの電気代の差があるでしょうか。
東京都環境局気候変動対策部家庭エネルギー対策課が発行している、「家庭の省エネハンドブック 令和7年3月発行」(2025年版)のデータより、一戸建てと集合住宅の1か月あたりの電気使用量と電気代を計算しました。計算式は次のとおりです。(電気料金単価は30円/kWhとして算出します。)
電気代=消費電力(W)÷1,000×使用時間(h)×電気料金単価(円/kWh)
| 世帯人数 | 戸建住宅 電気使用量(kwh)/電気代 | 集合住宅 電気使用量(kwh)/電気代 |
|---|---|---|
| 1人世帯 | 261kWh/7,835円 | 161kWh/4,815円 |
| 2人世帯 | 341kWh/10,235円 | 263kWh/7,885円 |
| 3人世帯 | 406kWh/12,180円 | 329kWh/9,860円 |
| 4人世帯以上 | 446kWh/13,390円 | 371kWh/11,140円 |
4人以上の家族の場合、1か月の電気使用量は戸建て住宅で446kWh、集合住宅で371kWhということが分かり、電気代にひと月あたり2,000円ほど差があるということも分かりました。
一般的に集合住宅に比べて戸建住宅は、空間が広く、部屋数が多くなる傾向にあります。空間が広いと室温を一定に保つために、多くのエネルギーが必要になります。
他にも、集合住宅よりも戸建て住宅は外気温の影響を受けやすく、断熱性が低い傾向にあります。
理由として、マンションなどの集合住宅は上下左右を隣家に囲まれているため、外気に触れる面積が比較的小さいのに対して、戸建て住宅は四方が外気に接しています。そのため戸建て住宅は断熱・遮熱しづらい環境にあり、空調などの電気使用量が増える傾向にあります。
電気料金はどう決まる?知っておきたい電気代の仕組み
月々の電気代は、契約容量によって決まる基本料金(または最低料金)、毎月の使用電力量に応じて計算する電力量料金と燃料費調整額に、再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)を加えた合計金額で決まります。
電気代=基本料金+電力量料金±燃料費調整額+再エネ賦課金

基本料金と電力量料金
基本料金
契約容量(電気を使うことができる最大の量)や契約アンペア数に基づいて計算されます。契約アンペア数が高いほど、電気を使用できる容量が大きくなり、設備の維持管理費用も高くなるため、基本料金も高くなります。
電気をどれだけ使っても毎月同じ金額が請求されるため、電気の使用量に関係なく一定しているのが特徴です。
電力量料金
実際に使用した電気の量に応じて計算される料金です。これは、使用した電力のキロワット時(kWh)に応じて計算され、通常、電気の使用量が多いほど高くなる傾向にあります。
電力量料金は、電気の供給にかかるコストや発電コストに基づき決定されます。また、電力会社によって、時間帯別料金、従量電灯料金などさまざまな料金体系があります。
燃料費調整額と再エネ発電促進賦課金
燃料費調整額
発電所で使用される燃料(石油、天然ガス、石炭など)の価格変動を反映した料金です。電気を生成するための燃料の価格が変わると、電気代もそれに影響されるため、燃料費調整額が加算または減算されます。
参考:電気代の「燃料費調整額」をわかりやすく解説!電力会社による違いとは?
再生可能エネルギー発電促進賦課金(略称:再エネ賦課金)
再生可能エネルギーの普及を促進するための資金の一部を、電気使用者に負担してもらう目的で課せられる料金です。おもに、太陽光や風力などの再生可能エネルギー源からの電力を支援するために使われます。この料金も使用量に応じて課金され、再生可能エネルギーの導入促進に寄与しています。
参考:再エネ賦課金とは?仕組みをわかりやすく解説!これまでの高騰の推移と今後
どうして高くなる?4人家族の電気代が上がるおもな原因
電気代が「なんとなく高い気がする」と思っても、何が原因なのかはっきりしないことも多いですよね。とくに、4人家族のご家庭では、暮らし方や住まいの条件が複雑になりやすく、そのぶん電気の使われ方も多様になります。
ここでは、4人家族の電気代が高くなってしまうおもな理由についてご紹介します。
家が広く、部屋数が多い
4人家族となると、リビング以外にも寝室や子ども部屋など部屋の数が増える傾向にあります。各部屋でエアコンや照明、家電製品を使うことで、どうしても電気の使用量が多くなってしまいます。
また、部屋数が多い=家全体が広いという場合も多く、冷暖房の効率が下がることで、さらに電気代がかさむ原因になります。
家族それぞれ異なる生活スタイル
共働きやお子さまの学校、習い事など、家族全員が同じ時間帯に家にいるとは限りません。
それぞれが違う時間帯に帰宅し、そのたびに照明やエアコン、テレビを使うと、1日をとおして電気の使用時間が長くなります。個々の生活リズムが異なることで、電気の無駄が生じやすくなるのです。
契約アンペア数や電気料金プランのミスマッチ
ご家庭の使用状況に合っていない契約プランも、電気代が高くなる要因の一つです。たとえば、実際の使用量に対して契約アンペア数が大きすぎると、必要以上の基本料金を支払っていることになります。
また、夜間に使用が多いご家庭で日中向けのプランを契約しているなど、プラン選びのミスマッチも電気代が高くなります。
季節ごとの在宅時間や冷暖房使用の影響
夏や冬は冷暖房の使用頻度が高まるため、それだけで電気代が上がりやすくなります。
加えて、夏休みや冬休みなど、家族全員が家にいる時間が長くなる季節は、照明や家電製品の稼働時間も増えがちです。こうした季節ごとの暮らし方の変化も、電気代に大きな影響を与えます。
4人家族だからこそ、生活の多様さや住まいの広さが電気代の増加につながるケースがあります。次のパートでは、こうした状況に対してどのように電気代を節約できるか、その工夫をご紹介していきます。
4人家族の電気代を安くする節約術

家計の負担を減らすために、電気代の節約は欠かせないポイントです。小さな工夫を取り入れることで、電気代を効果的に抑えることができます。家族全員が協力し合いながら、無理なくできる削減方法を見つけていきましょう!
家電製品・照明の使い方を見直す
- 使っていない機器の電源を切る: 待機電力の無駄を減らすため、使用しない家電製品のプラグを抜く、またはスイッチをオフにする習慣をつけましょう。詳しくは以下のコラムで解説していますので、参考にしてください。
参考:コンセントに挿しっぱなしで電気代がかさむ?抜いておいたほうが良い家電とは? - こまめなスイッチOFF: 使っていない部屋の照明や家電製品のスイッチはこまめに消しましょう。照明は点灯の瞬間にエネルギーを使用しますが、電気代に影響するほどではありません。
- 照明の工夫: 日中は自然光を活用し、必要のない照明は消しましょう。また、部屋ごとに必要な明るさを考え、明るさの調整ができるLED電球を使用することも効果的です。
- 節電モード活用: テレビやエアコンは、節電モードを活用しましょう。設定によって消費電力を抑えることができます。
- 冷暖房の効率アップ: エアコンは適切な温度設定で、室温を適切に保ちましょう。室温が1℃違うだけでも電気代が変わります。
省エネ家電への買い替え
- エネルギー効率の良い家電製品を選ぶ: 購入を検討している家電製品は、少なくとも「省エネラベル」において高評価の製品を選びましょう。特に、冷蔵庫、洗濯機、エアコンなどは効果が大きいです。
- 古い家電製品を見直す: 古い家電製品は電力消費が高いことが多いので、エネルギー消費の少ない新しい家電製品に買い替えることで、大幅な節約が期待できます。
買い替え時には省エネラベルをチェックして、緑色の目安エネルギー料金が安いものを選びましょう。
夏・冬の季節ごとの対策
- 空気は暖めると軽くなって上へ移動する性質があります。そのため暖かい空気は上昇し、冷たい空気は下降します。
エアコン使用時の冷房は風向を上向きに、暖房は風向を下向きに調節して、扇風機やサーキュレーターで空気を循環させると効果的です。 - 夏: 冷房は、室温28℃設定を目安にしましょう。遮光カーテンや日よけを使って、室温の上昇を防ぎましょう。
参考:エアコン(クーラー)冷房時の電気代は? つけっぱなしや1か月の電気代、節約方法をご紹介 - 冬: 暖房は、室温20℃設定を目安に、厚着をするなど工夫しましょう。暖房器具は、こたつや電気毛布など、消費電力の低いものを活用しましょう。
参考:冬のエアコン(暖房)の電気代は1時間いくら?効率的な節約方法も解説
まとめ:4人家族の電気代を賢く節約して家計を守るコツ
4人家族の電気代は平均で12,805円であることが分かりました。また、電気代の高騰は世帯人数だけでなく、家の規模や居住環境、各家族のライフスタイルによっても影響されます。
居住環境やライフスタイルを変えることは難しいですが、電力会社を変更することや料金プランの見直しは比較的簡単、かつ節約効果が期待できるためおすすめです。その他にも気軽に始められる節約術を参考にして、賢く電気代を節約しましょう。