こんにちは、まちエネです。
梅雨時期や冬場など、洗濯物が乾きにくい季節には浴室乾燥機が活躍します。最近は洗濯物を外には干さずに、基本的に浴室乾燥機を使われている方もいらっしゃるでしょう。
浴室乾燥機はとても便利ですが、電気代の負担も気になります。実際の浴室乾燥機1時間の電気代は約37.5円となっており、洗濯物の量にはよりますが、1回2時間~4時間の使用であれば、約75円~150円となります。(電気料金単価は30円/kWhにて計算)
もちろんこれはお使いの浴室乾燥機のモデルや使用時間、契約されている電力プランによって異なります。
今回は、浴室乾燥機の電気代の構造を理解し、節約するための具体的な方法をご紹介します。また、浴室乾燥機の使い方や他の乾燥方法と比べたときのメリットをご案内します。これによって、経済的で効率的な使い方が見つかるでしょう。光熱費を抑えるための参考にしてみてください。
浴室乾燥機の種類と主な機能
浴室乾燥機には主に電気式とガス式の2種類があります。電気式の浴室乾燥機は設置が容易で、初期費用も比較的低く抑えられるため、一般家庭で広く使用されています。特にマンションなどの集合住宅では、この電気式が多く採用されています。
いっぽう、ガス式の浴室乾燥機はそのパワフルな性能が特徴で、短時間で効率的に乾燥を完了することが可能です。
電気式の浴室乾燥機は、ヒーターで空気を温め、その温風を送ることで浴室内を乾燥させます。ただし、長時間の使用になると電気代がかさむことがデメリットです。
たとえば、1時間あたりの電気代が約37.5円と考えると、ひんぱんに使用する場合、月々の光熱費への影響も大きくなります。
ガス式の浴室乾燥機は、ガスで温風を起こし、暖房と乾燥をおこないます。これにより、乾燥時間が短縮され、全体の消費エネルギーを抑えることが可能になります。ただし、初期費用が高くなることや、ガス設備の設置が必要な点がデメリットです。
浴室乾燥機にはそれぞれのメリットとデメリットが存在するため、使用用途や生活スタイルに合わせて適切な種類を選ぶことが重要です。
例えば、ひんぱんに浴室乾燥機を利用する家庭では、短時間で効率的に乾燥できるガス式が向いているかもしれません。いっぽう、数回しか使用しない場合や初期費用を抑えたい場合は、電気式が適しています。
このように、ご自身の生活スタイルや予算に合わせて、最適な浴室乾燥機を選ぶことが、電気代やガス代の節約につながる重要なポイントです。
浴室乾燥機の電気代
浴室乾燥機は洗濯物を速く乾かすことができ、浴室内のカビ防止に役立ちます。
特に梅雨の時期や寒い冬場には、外に洗濯物を干すことが難しいため、浴室乾燥機の出番が増えることでしょう。しかし、その使用には電気代がかかるため、家計に対する負担も考慮する必要があります。
電気代は以下の計算式から求めることができます。
消費電力(W)÷ 1,000 × 使用時間(h)× 電気料金単価(円/kWh)
具体的な例をあげて浴室乾燥機の電気代を計算してみましょう。今回はパナソニックのバス換気乾燥機FY-13UG7Eを参考に計算をします。こちらのモデルの、自動乾燥、乾燥(タイマー)モードの消費電力は1,250Wとされています。
ここから1~6時間、また24時間つけっぱなしにした際の電気代をまとめると以下のようになります。電気料金単価は30円/kWhにて計算します。
使用時間 | 電気代 |
1時間 | 37.5 円 |
2時間 | 75 円 |
3時間 | 112.5 円 |
4時間 | 150 円 |
5時間 | 187.5 円 |
6時間 | 225 円 |
24時間 | 900 円 |
仮に1回あたり3時間の運転で洗濯物を毎日乾燥させた場合、1か月(30日)の電気代は3,375円となります。もちろん、使用する頻度や時間、電力プランにより電気代は変動しますが、浴室乾燥機だけで毎月3,000円以上かかるとなると、家計への負担が大きい家電製品だといえます。
浴室乾燥機をつかうメリット
浴室乾燥機は使う頻度が多くなると電気代が高くなることが分かりましたが、浴室乾燥機には多くのメリットがあります。浴室乾燥機は梅雨や寒い季節でも洗濯物を湿気から守り、短時間で乾燥させることが可能です。
また、冬場や梅雨時期に外で干せない洗濯物を浴室乾燥機で乾かすことで、常に清潔で快適な衣類を使用することができます。他にも、浴室内の湿度を低く保つことでカビ予防にも繋がります。
浴室乾燥機を使用することにより、室内干しのストレスを軽減し、清潔で快適な環境を保つことができます。
浴室乾燥機とほかの乾燥方法の電気代を比較
いろいろな乾燥方法がある中で、どの家電製品が一番おトクで効果的なのか迷いますね。ここからは、浴室乾燥機とその他の乾燥方法の電気代を比べて、それぞれのメリットとデメリットをわかりやすく説明します。
浴室乾燥機と洗濯乾燥機、ガス乾燥機、除湿乾燥機を比べて、それぞれの電気代に注目していきます。どの方法が一番経済的かを一緒に見ていきましょう。各項目で詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
洗濯乾燥機との比較
浴室乾燥機と洗濯乾燥機の電気代を比較する際、どちらがより経済的かを理解することが重要です。まず、洗濯乾燥機は洗濯と乾燥が一体化されており、一度に両方の作業をおこなえる利便性があります。
いっぽう、浴室乾燥機は乾燥専用の機能に特化しているため、乾燥時間を短縮しやすいのが特徴です。衣類を既に脱水した状態で使用することで、乾燥にかかる時間と電力を効率的に抑えることができます。
たとえば、パナソニックのななめドラム洗濯乾燥機 NA-LX129CLは、乾燥にかかる目安時間が98分、そして消費電力量は890Whとされています。電気料金単価を30円/kWhとして計算すると、洗濯乾燥機の乾燥機能での電気代は約44円となります。
浴室乾燥機を98分間稼働させますと、パナソニックのバス換気乾燥機FY-13UG7E(消費電力1,250W)では約61円となります。電気代は洗濯乾燥機の乾燥機能を使用したほうがおトクであることが分かります。
電気代 | |
洗濯乾燥機 | 約44円 |
浴室乾燥機 | 約61円 |
しかし、衣類の中には洗濯乾燥機が使えないものがあることや、浴室乾燥機の方が衣類にしわを作らず乾燥させられるなど、電気代以外の面でのメリット・デメリットがそれぞれにあります。
よく使う衣類の素材などによっては浴室乾燥機が向いていることもありますので、ご自身にとってメリットが多いのはどちらかチェックしましょう。
ガス乾燥機との比較
浴室乾燥機とガス乾燥機は、利用シーンによってそれぞれメリットがあります。
ガス乾燥機は乾燥時間が短く、エネルギー効率が良いことが多いですが、設置費用やガス代がかかります。いっぽうで、浴室乾燥機は設置が容易で、浴室自体のカビ防止や除湿に利用できるという特長があります。
たとえば、ガス乾燥機は1回の乾燥にかかる時間が30分程度で、比較的短時間で大量の衣類を乾かすことが可能です。それに対して、浴室乾燥機は乾燥に数時間かかることが多いものの、衣類乾燥以外にも浴室のカビ防止や空間の除湿など、多目的に利用できます。
電気代を比較してみますと、リンナイの乾燥容量8KgRDT-80(A)であれば消費電力は300Wとされています。こちらを1時間使用した場合の電気代は9円となります。
先ほど計算した浴室乾燥機1時間の電気代と比べてみると以下のようになりました。
光熱費(1時間) | |
ガス乾燥機 | 9円(電気代)+53.9円(ガス代)=62.9円 |
浴室乾燥機 | 37.5 円 |
※ガス料金は出力(4.65kW)×3.6MJ/h × 1h ÷ガス発熱量(45MJ/㎥)×ガス料金(145円/㎥)×使用時間(h)で計算。
浴室乾燥機は多機能性と設置の手軽さが特長で、どちらを選ぶかは、利用シーンや重視するポイントによって異なります。
除湿乾燥機との比較
除湿機の中に、衣類乾燥機能のあるモデルもあります。
除湿乾燥機は主に空気から湿気を取り除くことを目的としており、衣類乾燥の効率は浴室乾燥機とは異なるかもしれません。浴室乾燥機の乾燥機能と比べると、除湿乾燥機は特定の部屋やスペースでの使用が適していますが、洗濯物の乾燥に時間がかかる場合があります。
除湿乾燥機は、電気代に関しては比較的経済的です。運転時間や設定にもよりますが、一般的に除湿機は消費電力が低いため、日常的な使用で大きな負担にはなりにくいです。
たとえば、アイリスオーヤマのサーキュレーター衣類乾燥除湿機IJDC-P60は消費電力が590Wとされています。電気料金単価が30円/kWhと仮定してこちらを1時間使用すると、電気代は17.7円になります。
先ほど計算した浴室乾燥機の電気代は1時間で37.5円でしたから、除湿乾燥機の方が電気代はおトクであると分かります。
電気代(1時間) | |
除湿乾燥機 | 17.7円 |
浴室乾燥機 | 37.5 円 |
除湿乾燥機はお部屋でも使えますので、夏場の湿度管理やエアコンの補助として使うことができ、浴室乾燥機は冬場や雨の日に洗濯物を素早く乾燥させたい場合に活用するなど使い分けが可能です。このように、家庭環境や季節に合わせた柔軟な活用をしてみましょう。
除湿機の電気代や節約のポイントについてはこちらのコラムで詳しくご案内しておりますので、ご参考ください。
浴室乾燥機の電気代を節約するポイント
浴室乾燥機は便利ですが、使用方法によっては電気代が高くなってしまうことがあります。ここでは、電気代を節約するための具体的な使い方について解説します。
電気料金が安い時間帯に使う
電気料金プランによっては、昼間よりも夜間の電気料金が安く設定されていることがあります。寝る前に洗濯物を干してスイッチを入れておけば、安い時間帯に浴室乾燥機が動いてくれますので、電気代を節約できます。
エアコンや扇風機などとも併用する
すべての洗濯物を浴室乾燥機で乾かすのではなく、室内干しと浴室乾燥機を組み合わせると、1回あたりの量が減って早く乾きます。
エアコンや扇風機など、他の乾燥方法を併用することで、電気代を節約できるかもしれません。小さいものや薄い洗濯物はエアコンや扇風機の風で乾かし、浴室乾燥機を使う時間を短くしましょう。
特に、夏場にエアコンを使うときは、その風で洗濯物を乾かすのが効果的です。こうすることで、エアコンの利用時間も有効活用でき、一石二鳥です。
エアコンの電気代や節約方法はこちらのコラム、また扇風機の電気代についてはこちらのコラムでもご紹介していますので、ご参考ください。
室内干しをしてある程度乾いた状態で浴室乾燥機を活用する
室内干しと浴室乾燥機を同時に使う方法に加え、最初にある程度室内干しをしてから浴室乾燥機を使うと、さらに節約できます。家にいる間は室内干しをして、出かける前に浴室乾燥機に洗濯物を移動するなど、使用時間を短くする工夫をしてみてください。
家を空ける時間が短い場合は、先に浴室乾燥機で乾かしておいて、帰宅したら室内干しに切替えるのも良い方法です。
乾きにくい洗濯物を温風が当たる位置に干す
大きくて厚手の洗濯物は乾きにくいので、浴室乾燥機の近くに干して温風が直接当たるようにしましょう。シーツやクッションカバー、トレーナーなどの大物や厚手の衣類は、他の衣類よりも乾くのに時間がかかります。
浴室内の湿度を低くし、窓やドアはしっかりと閉めて使用する
浴室内の湿度が高いと、乾燥機を使っても洗濯物が乾くまでに時間がかかってしまいます。乾燥機を使う前にしっかりと壁や床の水分を取り除いておくようにしましょう。もし、浴室内の湿度が高い場合には、先に換気扇を回して除湿してから使用しましょう。
また、浴室乾燥機を使用している際には窓やドアをしっかりと閉めて、洗濯物にまんべんなく風があたるようにすることで効率が良くなります。
フィルターはこまめに掃除する
浴室乾燥機のメーカーによってお手入れの推奨頻度は異なりますが、目安として3か月から半年に1度、フィルターを取り外して手入れをしましょう。
フィルターがほこりで目詰まりしていると、風の通りが悪くなり乾燥効率が落ちて電気代が増える原因になります。フィルターは乾いた状態で取り外し、掃除機でほこりを吸い取った後、水洗いしてしっかり乾かしてから再度取り付けてください。
また、掃除をしていないフィルターのままで浴室乾燥機を使用しますと、フィルターについたホコリやカビを、温風にのせて洗濯物にまき散らしてしまうことにもなります。しっかりと掃除をしておくようにしましょう。
電力会社の見直しも検討してみましょう
浴室乾燥機を含め、家全体の電気代が高いと感じている方は、電力会社や電気料金プランを見直すのも一つの方法です。各電力会社にはさまざまな料金プランやサービスが用意されており、電力会社やプランを見直すことで、電気代を節約できる場合があります。
浴室乾燥機は便利ですが、電気代が高くなりがちなので、使うのをためらっている方もいるかもしれません。しかし、洗濯物の干し方を工夫したり、サーキュレーターを併用することで、電気代を抑えつつ効率的に使えます。また、乾燥以外にも多くの機能があるので、さまざまなシーンで役立ちます。
今回のコラムでご紹介した節約のポイントを参考にして、浴室乾燥機を上手に活用してみてください。