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蛍光灯とLED照明の電気代を徹底比較!寿命・初期費用・節電対策までまるごと解説

蛍光灯とLEDの電気代を徹底比較!寿命・初期費用・節電対策までまるごと解説

こんにちは、まちエネです。

家庭における消費電力が高い家電製品として上位にあがる照明ですが、一般の住宅や商業施設等の建物に使用される一般照明用の蛍光灯は、2027年末までに製造終了することが政府より発表されていることをご存知でしょうか。

これにともない、2026年以降、蛍光灯の種類によって段階的に規制が開始されます。規制開始(製造禁止)後は、お使いの蛍光灯がつかなくなった時にLED照明に交換する必要がありますので、いまのうちに切替えを検討できると安心です。

今回は、蛍光灯とLED照明の仕組み・特徴から、電気代やランニングコストの比較、さらに導入時のポイントまでをわかりやすく解説します。効率的で経済的な照明の使い方をご紹介しますので、LED照明への切替えをお考えの方や、照明の電気代が気になる方に役立つ情報をご紹介します。

参考:蛍光灯からLED照明への切り替えはお済みですか? (METI/経済産業省)

蛍光灯とLED照明の基本的な仕組みと特徴

まずは蛍光灯とLED照明、それぞれがどのような仕組みを持ち、どのような長所・短所があるのか理解しましょう。

蛍光灯の構造と長所・短所

蛍光灯は、管の中のガスに電気を流して発光させる仕組みです。内側にある粉に光が当たることで、私たちが見る白い光になります。

寿命の目安は約6,000〜13,000時間となりますが、スイッチを頻繁にオン・オフすると寿命が短くなる傾向があります。

価格が比較的安いため、多くの施設や一般家庭で長年使われてきましたが、水銀使用による廃棄時の処理や環境負荷が問題視されることも多くなってきました。

LED照明の構造と長所・短所

LED照明は、電気が流れると中の半導体が光る仕組みです。

蛍光灯より消費電力が低く、発熱量も少ないので調光や調色に適している点が大きな特徴です。また、40,000時間を超えて使用できる製品もあり、蛍光灯よりも寿命が長いため、取替えの手間や廃棄物の削減にもつながります。

ただし購入コストが高めで、照明器具によっては対応するランプの種類が限られている場合があるので、導入時はしっかり確認する必要があります。

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蛍光灯とLED照明の電気代比較:どちらがどれくらい安いの?

次に、蛍光灯とLED照明の電気代の違いをみていきましょう。蛍光灯とLED照明は、同程度の明るさでも、消費電力に差があります。

シーリングライトや直管型照明の場合

シーリングライトや直管型の蛍光灯は、家庭やオフィスで広く使われていますが、一般社団法人日本照明工業会によると、8畳用シーリングライトを蛍光灯からLED照明に交換することで、年間約2,053円の節約になります。

このデータを使用して1日あたり、1か月あたりの電気代を比較すると下記となります。

期間蛍光灯電気代LED電気代
年間約4,216円(136kWh)約2,163円(69.8kWh)
1か月あたり約346円 (11.1kWh) 約177円(5.73kWh)
1日あたり約11円(0.37kWh) 約5円(0.19kWh)
※年間消費電力量(kWh/年):年間点灯時間 2,000時間(1日5~6時間点灯した場合)をもとに算出した数値
※年間の目安電気料金(円/年):年間消費電力量に電力料金目安単価(31円/kWh(税込)[令和4年7月改定])を乗じて算出したもの
※参考:デコ活アクション | LIGHTING ACTION for 2030 | JLMA 一般社団法人日本照明工業会

LED照明の方が1日の使用時間が長くなるほど、負担する電気代の差も大きくなり、導入コストの回収が早まるというメリットがあります。

また、電気代は照明を使う時間と器具の数によって大きく変わるため、普段の利用状況を見直すことも大切です。長時間点灯される場所ほどLED照明への切替えによる効果が大きく、オフィスや店舗ではLED照明の導入コストを短期間で回収しやすくなるでしょう。

ご家庭においても、リビングなど日常的に長く点灯する部屋から順次切替えることで、効率的に電気代を抑えられます。

オフィス・家庭での消費電力の違い

オフィスでは複数の照明器具が長時間稼働しているため、LED照明への切替えによる電気代削減効果がさらに大きくなります。

家庭でもリビングやダイニングなど使用頻度が高い部屋に焦点を当てることで、効率的に出費を削減できます。

照明環境の見直しには、点灯時間や器具の台数を正確に把握することが重要で、それによってLED化の優先度を決めることをおすすめします。

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電気代以外の差:寿命・初期費用・環境への影響

単純な電気代の比較だけでなく、照明の交換サイクルや環境への負荷も検討材料になります。導入時の費用だけを見ると、蛍光灯は安価で手に入れやすいのに対し、LED照明は初期投資がやや高めです。

しかし、LED照明は寿命が長く交換サイクルが少ないため、長期的には交換の手間やランニングコストの削減効果が期待できます。環境面でもLED照明は水銀を含まず、低消費電力のため、省エネと廃棄時のリスク低減が大きなメリットとなっています。

購入費用・ランニングコストの比較

蛍光灯は、価格面で魅力がある一方で頻繫に交換が必要です。

LED照明は、初期費用が高めですが、電気代の節約分や交換の少なさを加味すると、長期間使用するほどトータルの費用を圧縮しやすくなります。特に、長時間使う場所ではLED照明導入の費用対効果が高いことがわかります。

交換頻度とメンテナンスコスト

蛍光灯は寿命が比較的短く、6,000~13,000時間程度で交換が必要になります。

日常的に点灯していると交換サイクルが早まり、メンテナンスコストも増えるでしょう。一方でLED照明は、長寿命で製品によっては40,000時間を超えるものもあり、交換作業の手間や費用が大幅に抑えられます。

環境負荷(廃棄物や省エネ性能など)の比較

蛍光灯には微量な水銀が含まれるため、廃棄時には特別な処分方法が求められます。

LED照明は水銀を含まないうえに消費電力が低く、稼働中のCO2排出量や発熱量も抑えられます。その結果、LED照明のほうが総合的にみて環境負荷を軽減しやすいと言えます。

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蛍光灯からLED照明への切替え方法とポイント

実際に蛍光灯からLED照明に切替える際には、器具の互換性や工事の要否などを確認する必要があります。

照明器具そのものの形状や構造によって、LED照明がそのまま使える場合と工事が必要になる場合があります。切替え時にはまず、現在使用している照明器具の仕様を確認し、必要に応じて専門業者に修理や改修を依頼するのが安心です。

特に、オフィスなどで多数の照明を一度に切替える場合は、一部で試験的に導入してから全体へ拡大する方法でリスクを抑えることが可能です。

工事不要タイプと工事が必要なタイプの違い

直管型LEDには、既存の安定器をそのまま利用できる工事不要のタイプと、安定器を外す工事が必要なタイプがあります。

工事不要タイプは導入が簡単ですが、安定器の待機電力がかかるなどの課題が残る場合もあります。工事が必要なタイプは初期の手間やコストが増えますが、結果的に消費電力を抑えられたり、安定稼働が期待できるメリットがあります。

既存照明器具との相性と注意点

照明器具の形状や口金の種類、安定器の規格によっては、LEDランプが適合しない場合があるため注意が必要です。

適合しないランプを使用すると、正常に点灯しなかったり、故障の原因となるリスクがあります。購入前に製品の仕様書を確認し、可能であれば販売店やメーカーに問い合わせて相性をしっかり確かめると安心です。

照明の電気代を節約する対策

照明自体の選択だけでなく、日常的な工夫によってさらに電気代を抑えられます。

照明を使わない時はこまめに消灯することが、最も基本的な電気代節約術です。廊下や洗面所などの使用時間が短い場所でつけっぱなしにすると、気づかないうちにコストがかさんでしまいます。

さらに、調光機能がある照明器具を導入すれば、状況に応じて適切な明るさを確保しながら過剰なエネルギー消費を抑えることができます。

こまめな消灯と調光機能の活用

不要な部屋の照明は長時間つけっぱなしにしないことが鉄則です。人感センサー付きの照明やタイマー機能があると、消し忘れを防いで効率的に電気代を抑えられます。加えて調光機能を活用することで、シーンや時間帯に合わせた適切な明るさを維持しながら、余分な電力を使わない工夫が可能となります。

照明器具のこまめな清掃で明るさ維持

照明器具にホコリや汚れがたまると、必要以上に光がさえぎられて暗く感じることがあります。その結果、明るさを上げてしまい無駄な電力消費につながる場合があります。

定期的な清掃を心がけることで、それほど高い明るさを必要とせずに快適な照明環境を保ちやすくなります。

電気料金プランの見直し

実際の使用状況に合った電気料金プランを選ぶことも、全体のランニングコストを最適化する大きなポイントです。

夜間によく照明を使う家庭や、企業向けの時間帯別のプランなど、契約プランを見直すと大幅に電気代を抑えられる可能性があります。まずは、電力会社やプランの比較サイトで、ご自身の使用パターンに適したプランをチェックしてみましょう。

補助金やサービスを使ったLED導入のすすめ

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LED導入にあたっては、自治体や国のサポートを活用して費用を抑える方法があります。

LED照明に切替える際、自治体や国が提供している補助金や助成金の仕組みを利用すれば、初期投資の負担を減らすことができます。

特に規模の大きいオフィスや店舗では、導入コストが大きい分だけ補助金の効果も大きく感じられるでしょう。加えて、商社やメーカーが提供するリースや分割払いなどのサービスを活用するのも、導入をスムーズに進める上で有効です。

自治体・国の補助制度のチェックポイント

自治体や国が提供している補助制度は、募集期間や条件が細かく定められています。

導入を検討する際は各自治体や関連省庁のサイトを確認し、補助制度の募集期間や条件をきちんと調べることが第一歩です。早めに情報収集を行っておけば、タイミングを逃さずに経済的支援を受けられる可能性があります。

参考:最新の補助金情報や資源エネルギー庁の省エネサイトをご紹介します | LED照明ナビ | JLMA 一般社団法人日本照明工業会

商社・メーカーが提供する導入サポートと比較

大手メーカーや商社の中には、初期費用を抑えるためのローンやリースといったサポート付きプランを提供している場合があります。

契約形態によっては、月額の支払いに電気代も含まれるなど細かなサービス設計があるので、自社や家庭の予算と合わせて検討する価値があるでしょう。同時に複数の業者から見積もりを取り、費用明細や契約条件をきちんと比較することが失敗を防ぐコツです。

まとめ:LEDで電気代を削減し、環境にも優しい暮らしを実現しよう

蛍光灯とLEDの比較ポイントを理解したうえで、自分に合った照明への切替えを行い、経済的で環境にも優しい生活を目指しましょう。

蛍光灯を使い続ける場合でも、いずれは生産終了の影響を受ける可能性が高まっています。長寿命で電気代を大幅に節約できるLEDへの切替えは、経済的メリットだけでなく環境面でも有効な選択肢と言えます。補助制度やリースなどのサービスを活用することで初期費用を抑えながら、より明るく快適、そして持続可能な暮らしを実現していきましょう。

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