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全館空調の電気代は安い?エアコンとの比較と節約ポイントを徹底解説!

全館空調の電気代は安い?エアコンとの比較と節約ポイントを徹底解説!

こんにちは、まちエネです。

住まい全体の空調を一括で管理できる「全館空調」。家全体を一定の温度に保つことができる便利なシステムですが、導入を検討する際には、実際のところ、エアコンを複数台購入して使用するのと、どちらの電気代が安いのか気になる方も多いのではないでしょうか。

さまざまな条件により結果は異なりますが、全館空調の1か月あたりの平均電気料金は、約4,721円となっています。夏季(7~9月)は3,348円、冬季(12~2月)は9,319円と、季節によって電気代が大きく異なります。

参考:『Z 空調』搭載宅の消費電力調査結果発表 株式会社 ヒノキヤグループ 2020年 6月1日

このコラムでは、全館空調の仕組みをわかりやすく解説し、エアコンを複数台使用した場合との電気代を比較していきます。また、全館空調のメリット・デメリット、そして電気代を節約するためのポイントについても詳しくご紹介します。

全館空調とは?住まい全体の空調を一括管理するシステム

全館空調は、大型の空調設備を使用して、住まい全体の温度や湿度を一括で管理するシステムです。床下や天井裏に設置された空調ユニットから、快適な温度に調整された空気を、配管ダクトを通じて家全体に循環させます。なお、ここでいうダクトとは、給気や排気を行うために建物内に設置された空気の通り道のことです。

このシステムの特徴は、各部屋にエアコンを設置する従来の方法と異なり、玄関や廊下、キッチン、浴室といった居室以外の空間も一定の温度に保たれる点です。これにより、真夏や真冬のような厳しい気候の時期でも、家中どこにいても快適な環境を維持しやすくなります。

全館空調とエアコン、電気代はどっちがおトク?

まちエネコラム-エアコンの電気代っていくら? 節約のためのスマートな使い方もご紹介

全館空調を導入するとき、やっぱり気になるのは電気代ですよね。ここでは、エアコンを3台使った場合と全館空調を使った場合の電気代を計算して、どれくらい違うのかをわかりやすく比較してみましょう!

電気代を計算するには、次の式を使います:

電気代(円) = 消費電力(W)÷ 1,000 × 使用時間(h) × 電気料金単価(円/kWh) × 台数

今回は、ダイキンのエアコン S284ATES-W(暖房時の消費電力:890W、冷房時の消費電力:780W)を3台使用する場合を例に、1時間あたり、1日8時間、1日8時間×30日間の電気代を計算しました。電気料金単価は30円/kWhで設定しています。

また、全館空調についてはヒノキヤグループの「Z 空調」の電気代を参考にします。(月の電気代が3,348円~9,319円)エアコンを3台使うのと、全館空調とでは電気代は以下のようになりました。

1時間1日(24時間)1か月(30日)
エアコン(3台)約23円~27円約560円~640円約16,800円~19,200円
全館空調約5円~13円約112円~311円約3,348~9,319円
参考:Eシリーズ 仕様(スペック)ダイキン工業株式会社
参考:『Z 空調』搭載宅の消費電力調査結果発表 株式会社 ヒノキヤグループ 2020年 6月1日

このように電気代を計算すると、エアコンでは1か月の電気代が最大で2万円近くかかることが分かります。夏季と冬季の差はありますが、エアコンと全館空調の差は毎月1万円程度の開きがあるようです。

一方、全館空調の1ヶ月あたりの平均電気料金は、参照した資料によると約4,721円となっています。夏季(7~9月)は3,348円、冬季(12~2月)は9,319円と、季節によって異なる電気代がかかります。

つまり、季節を問わず、エアコンよりも全館空調の電気代の方が安い傾向にあるといえます。もちろん、エアコンを使う台数や使用する時間、メーカーやシステムの種類などによって結果は変わる可能性がございますので、あくまで参考としておきましょう。

エアコンの冷房の電気代や節約方法はこちらのコラムエアコンの暖房の電気代や節約方法はこちらのコラムにてそれぞれご紹介しておりますので、ご参考ください。

全館空調のメリット

全館空調の電気代は安い?エアコンとの比較と節約ポイントを徹底解説!

全館空調には、エアコンと比べて電気代が安いという点以外にも多くの魅力があります。以下のような点が全館空調の大きなメリットです。

室内の空気を清潔に保てる

多くの全館空調システムは、空気清浄機能が搭載されています。この機能により、空気中の花粉やホコリ、ウイルス、さらには悪臭まで除去できます。家全体の空気が常に清潔に保たれるため、特にアレルギーや呼吸器系の問題を抱えている方には大きなメリットです。

住宅全体で快適な室温を維持できる

全館空調の最大のメリットは、家全体を均等に快適な温度に保てることです。エアコンは特定の部屋にしか風が届きませんが、全館空調なら浴室やトイレ、廊下などの温度も一定に保たれます。特に冬場の浴室でのヒートショックや夏場のキッチンの蒸し暑さから解放されるため、どの部屋でも快適に過ごせます。

室内外に露出する機器が少ない

全館空調は、エアコンに比べて室内外に露出する機器が少ないため、家のデザインやインテリアにこだわる方にとって嬉しい点です。

エアコンは室内に大きな冷暖房機器を設置するため、インテリアに影響を与えることがありますが、全館空調は隠蔽設置が可能で、部屋の見た目を損ねることなく快適に空調管理できます。また、室外機の数も少なく、外観もスッキリとした印象になります。

メンテナンスが必要な頻度・箇所が少ない

エアコンは定期的にフィルター掃除やクリーニングが必要ですが、全館空調は一度設置すればメンテナンスの頻度が少なくて済む場合が多いです。廃棄吸い込み口や換気システムのフィルターを掃除するだけなど、メンテナンスが必要な箇所が少なめなこともメリットです。

また、フィルターやダクトの清掃も専門業者によって行えるため、ご自身の手間を最小限におさえることができます。

全館空調は、エアコンに比べて快適さや使い勝手が向上し、さらに室内のデザインにも配慮できるため、住まい全体の空調管理がより便利で効率的になります。

全館空調のデメリット

全館空調には多くのメリットがありますが、導入前に知っておきたいデメリットもいくつかあります。特に、初期費用やメンテナンス費用が高くつくことが考えられますので、しっかりと確認しておきましょう。

初期費用やメンテナンス費用が高い

全館空調は、エアコンを複数台使うよりも電気代をおさえることができますが、その分初期費用が高額になります。

たとえば、全館空調システムとエアコンを導入する際の初期費用の目安は以下の通りです。

  • 全館空調:100万~300万円程度
  • エアコン(複数台):50万円程度

このように、全館空調の初期費用はエアコンの約6倍になることもあります。また、全館空調には定期的な点検やメンテナンスが必要で、年間1万~3万円程度の費用がかかります。電気代とは別にメンテナンス費用を考慮する必要がありますので、導入前に費用をしっかり把握しておくことをおすすめします。

参考:全館空調の価格相場はどれくらい?メリット・デメリットも紹介 パナソニック ホームズ

フィルターの交換に手間がかかる

全館空調を長期間快適に使うためには、フィルターの掃除と交換が欠かせません。全館空調には「粗塵防虫フィルター」と「給気清浄フィルター」が搭載されており、それぞれの掃除と交換頻度は以下の通りです。

  • 粗塵防虫フィルター:掃除は3か月に1回、交換は2年に1回
  • 給気清浄フィルター:掃除は年に1~2回、交換は2年に1回

これらのフィルターは、メンテナンス時に交換され、交換費用は1か所につき数千円が目安です。また、製品によっては別のフィルターの交換も必要になることがあるため、事前にメーカーにメンテナンス方法を確認しておくと安心です。

全館空調のフィルター掃除や交換は手間がかかる場合もありますが、定期的に行うことで性能を維持し、快適な空間を保つことができます。

全館空調の電気代節約!コスパ良く使うためのポイント

全館空調は快適さを高める一方で、初期費用が高いため「電気代をおさえて上手に使いたい」と考える方も多いでしょう。ここでは、全館空調の電気代を節約するための設計や使い方のコツを分かりやすくまとめました!

ダクト設計は「余分な抵抗をなくす」がカギ

全館空調の電気代は安い?エアコンとの比較と節約ポイントを徹底解説!

全館空調の節電では、ダクトに余計な抵抗をかけない設計がポイントです。
ダクトが重なり合ったり、何度も折れ曲がっていたりすると送風がスムーズにいかず、空気の循環効率が低下します。その結果、空調を強く動かさざるを得なくなり、電気代が高くなる原因になってしまいます。

対策
全館空調を導入する際は、ダクト設計が複雑になっていないかメーカーに相談しましょう。
送風効率を考慮した設計で、電気代をおさえる工夫ができます。

家の気密性と断熱性をアップ

気密性や断熱性が低い家では、空調で温度を調整しても隙間から空気が逃げ、長時間の強運転が必要になります。その分、電気代がかさんでしまうのです。

  • 気密性::隙間を少なくすることで効率よく温度調整が可能に。
  • 断熱性::室温を保ちやすくするために、丁寧な施工や高性能な断熱材の採用が効果的。

施工会社やメーカーの実績を確認し、見学会に参加して施工品質を見極めるのもおすすめです。

風量設定は「自動運転」が最適

風量設定を「弱」にすると設定温度に達するまで時間がかかり、効率が悪化。かえって電気代が高くついてしまう場合もあります。

対策:
風量設定は「自動運転」にしましょう。自動設定なら効率的に部屋の温度を調整できるため、消費電力をおさえつつ快適さを維持できます。

運転停止の判断を賢く

全館空調の電気代は安い?エアコンとの比較と節約ポイントを徹底解説!

短時間の外出時にエアコンや全館空調を何度も停止・再起動すると、消費電力が増えてしまうことがあります。以下の目安を参考に、停止するかどうかを判断してください。

外出時間別の対応:

  • 1時間以内:停止せず、温度を調整するだけにする。
  • 1~2時間:室内外の気温差を見て判断。
  • 2時間以上:運転を停止する。

このように停止頻度を工夫すれば、無駄な消費電力を減らせます。

メーカー選びは「アフターフォローの充実度」が決め手

全館空調は定期的なメンテナンスが必要です。アフターフォローが手厚いメーカーなら、設備を長持ちさせるためのケアや修理を安心して任せられます。

注意点
アフターフォローが手薄なメーカーだと、メンテナンスや修理費用が高くつくことも。導入前にフォロー内容をよく確認しましょう。

全館空調の電気代は使い方と料金プランの選び方で節約できる

家全体を快適な温度に保てる全館空調は、複数のエアコンを使用するよりも効率的で、電気代をおさえられる可能性があります。ただし、初期費用やメンテナンス費用が高額であること、また使い方次第では電気代が高くなることもあるため、コストをおさえるための工夫が重要です。

そこで、電力会社が提供するさまざまな電力プランを活用することも、電気代を節約するポイントです。

最近では、多くの電力会社が、電気をたくさん使う家庭向けのプランや、昼間の電力が安くなるプランなど、家庭のライフスタイルに合わせた多様なプランを展開しています。

自分の生活スタイルや使用状況に合ったプランに変更すれば、全館空調だけでなく、家庭全体の電気代を大幅に節約できる可能性があります。この機会に、契約中のプランを見直し、自分にぴったりのものを選んでみてはいかがでしょうか?

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