
こんにちは、まちエネです。
「シーリングファンっておしゃれだけど、電気代が高そう…」
そんなイメージを持っていませんか?
天井に取り付けるシーリングファンは、空気を循環させてお部屋を快適に保つ便利なアイテム。でも、見た目の存在感があるぶん「電気代はどのくらい?」「本当に節約になるの?」といった疑問も出てきますよね。
実際のシーリングファンの電気代は1時間あたり約0.5円~1円、24時間つけっぱなしでも約11円~24円、1か月(30日)つけっぱなしでも約324円~713円となります。(電気料金単価は30円/kWhで計算)
今回は、シーリングファンの電気代の目安をわかりやすく紹介しながら、使ってみて感じるメリットや、ちょっと気をつけたいデメリットまでまとめてご紹介します。
シーリングファンとは?

シーリングファンとは、天井に取り付けて使う扇風機のような形をした送風機のことです。一般的な扇風機と違い、天井からゆっくりと風を送ることで、部屋全体の空気をやさしくかき混ぜる役割を持っています。
もともとは海外の住宅などでよく使われていましたが、近年では日本の住宅やカフェ、オフィスなどでも見かけることが増えてきました。インテリアとしても存在感があり、おしゃれな空間づくりに一役買うアイテムとしても人気です。
シーリングファンの役割は単なる送風だけではありません。空気を循環させることで、冷暖房の効率を高めるというメリットもあります。冷房時は冷たい空気を部屋全体に行き渡らせ、暖房時には天井にたまりがちな暖かい空気を足元へと下ろしてくれます。
また、空気の流れが生まれることで、部屋干しの洗濯物が乾きやすくなるといった効果も期待できます。
最近では、照明とファンが一体化した「シーリングファンライト」も多く登場しており、照明器具の代わりとして取り入れる方も増えています。
シーリングファンにはACモーターとDCモーターがある
シーリングファンを選ぶときに知っておきたいのが、「ACモータータイプ」と「DCモータータイプ」の違いです。これはファンを回すために使われているモーターの種類を指していて、使い勝手や価格にも関わってきます。
ACモータータイプとは?
AC(交流)モータータイプは、昔から多くの家電製品で使われてきたスタンダードな方式です。特徴としては以下のような点があります。
- 本体価格が比較的リーズナブル
- 構造がシンプルで、安定した性能
- 回転スピードの調整は数段階(弱・中・強など)
コストを抑えて導入したい方や、基本的な機能で十分という方にはACモータータイプがおすすめです。
DCモータータイプとは?
DC(直流)モータータイプは、最近人気が高まっているモデルで、次のような特徴があります。
- 消費電力が少なく、より省エネ
- 静音性が高く、動作音が気になりにくい
- 回転スピードの調整が細かくできる(無段階に近い)
ただし、そのぶん本体価格はACタイプよりもやや高めになる傾向があります。最初の導入コストは高くなりますが、電気代の節約や快適性の高さを重視するならDCモータータイプは検討してもいいでしょう。
どちらを選べばいい?
ざっくりまとめると、
- 価格重視・シンプルな操作が好み → ACモーター
- 静かさ・省エネ・細かい風量調整を重視 → DCモーター
という選び方がおすすめです。
シーリングファンの電気代はどのくらい?
シーリングファンは見た目の印象とは裏腹に、意外と電気代が安い家電製品です。
今回は、ACモータータイプとDCモータータイプ、それぞれを例に、実際の電気代を計算してみます。電気代の計算式は以下の通りです。
電気代 = 消費電力(W)÷ 1,000 × 使用時間(h)× 電気料金単価
例えば、パナソニックのACモータータイプのシーリングファン(SP7080)と、同じくパナソニックのDCモータータイプのシーリングファン(SP7075)を参考とします。
これらは消費電力が公開されていませんが、入力電流(V)とアンペア(A)が公開されていますので、そこからおおよその消費電力を求めることができます。
| VとA | 消費電力(W) | |
|---|---|---|
| 天井直付型 シーリングファン ACモータータイプ SP7080 | 入力電流(100V時):0.33 A | 33W |
| 天井直付型 シーリングファン DCモータータイプ SP7075 | 入力電流(100V時):0.15 A | 15W |
※消費電力(W)は入力電流(V)×アンペア(A)で求められますが、実際にはこの数値に「力率」という供給された電力のうち何%が有効に働いたかを示す係数を含めて計算しますので、あくまで消費電力は目安となります。
このワット数をもとに、実際の電気代を見てみましょう。
1時間あたりの電気代
ACモーターとDCモーターで消費電力に差はありますが、計算しますと1時間あたりの電気代は約0.5円~1円となります(電気料金単価は30円/kWhで計算)。
なお、電気料金単価はご契約中の電力会社や電気料金プランにより異なりますので、あくまで参考としてください。
1日・1か月使用した場合
1日24時間つけっぱなし、1か月(30日)つけっぱなしにした際の電気代は以下のようになります。
| 使用時間 | 電気代 |
|---|---|
| 1日(24時間) | 約11円~24円 |
| 1か月(30日) | 約324円~713円 |
シーリングファンは一般的な冷暖房機器と比べても消費電力が少なく、節電を意識しながら快適さをプラスできる家電製品といえるでしょう。
シーリングファンとほかの家電製品との電気代を比較
シーリングファンの電気代がかなり安いことは、すでにお伝えした通りです。ここでは、ほかの一般的な家電製品と比べて、どれくらいコストに差があるのかを見てみましょう。
| 消費電力(W) | 1時間あたりの電気代 | |
|---|---|---|
| シーリングファン | 15~33W | 約0.5円~1円 |
| サーキュレーター | 17W | 約0.5円 |
| 扇風機 | 40W | 1.2円 |
| エアコン | 525W | 約15.8円 |
参考:サーキュレーター 20畳 DCモーター 上下左右首振り PCF-BD15TEC-W ホワイト アイリスオーヤマ、Dyson Purifier Hot+Cool ホット+クール 空気清浄機 ホワイト/シルバー (HP07 WS)、S284ATDP-W 10畳程度 暖房時730W 冷房時525W ダイキン DXシリーズ
こうして比べてみると、シーリングファンは圧倒的に省エネ効果が高い家電製品だということがわかります。特にエアコンや電気ストーブなど、季節家電と組み合わせて使うことで冷暖房効率を高められるのもシーリングファンの強みです。
「節電したいけど快適さもキープしたい」という方にとって、シーリングファンはとても相性のいい選択肢といえるでしょう。
エアコンの電気代やその仕組み、節約方法についてはこちらのコラムをご参考下さい。
また、扇風機の電気代や節約のコツはこちらのコラムでご紹介していますので、合わせて参考にしてみてください。
シーリングファンのメリット

見た目がおしゃれでインテリア性が高い
天井に設置するシーリングファンは、空間の印象を大きく変えるアイテムです。ナチュラル系、モダン系、クラシック調などデザインも豊富で、「おしゃれな部屋づくり」に一役買ってくれます。
省エネ効果が高い
シーリングファンは、部屋の空気を効率よく循環させることで冷暖房の効き目をサポートします。エアコンの設定温度を控えめにしても快適さをキープできるため、電気代の節約にもつながります。
空気がこもりにくく、部屋が快適に保たれる
風を起こすことで空気が滞らず、室内のにおいや湿気をこもりにくくします。換気しづらい間取りの家や、窓を開けづらい時期にもおすすめです。
部屋干しの洗濯物が早く乾く
室内干しの際にシーリングファンを回せば、空気の流れができて洗濯物が乾きやすくなります。特に梅雨時期や冬場など、部屋干しのニーズが高まる時期には頼れる存在です。
シーリングファンのデメリット
ある程度の天井の高さが必要
シーリングファンは頭上に設置するため、ある程度の天井高(目安:2.4m以上)がないと圧迫感が出たり、安全面で不安が生じることもあります。賃貸物件や低天井の住宅では設置が難しいケースもあります。
初期費用がやや高め
照明とファンが一体型のモデルなどは、普通の照明器具より価格が高めです。また、DCモータータイプの高機能モデルは特に価格が上がります。
掃除に手間がかかる
天井にあるため、羽根や本体に溜まったホコリを掃除するのがやや面倒です。踏み台や脚立が必要になり、定期的なメンテナンスが面倒に感じる人もいるかもしれません。
シーリングファンの電気代節約方法

シーリングファンはもともと消費電力が少ない家電製品ですが、ちょっとした工夫でさらに電気代を抑えることも可能です。ここでは、シーリングファンをより効率よく、無駄なく使うためのポイントをご紹介します。
DCモータータイプを選ぶ
消費電力を抑えたいなら、まずDCモータータイプのシーリングファンを選ぶのがおすすめです。
ACモーターに比べて消費電力が半分以下になることもあり、1日中つけていても数円の差が出ます。初期費用はやや高めですが、長く使うなら十分元が取れるレベルです。
季節に合わせて風向きを切り替える
シーリングファンには「正転」と「逆転(反転)」の切替え機能がある機種も多いです。
- 夏場は下向きの風(正転)で体感温度を下げ、エアコンの設定温度を上げる
- 冬場は上向きの風(逆転)で暖気を天井から床へ送る
このように空気を効率よく循環させることで、冷暖房の効きが良くなり、エアコンにかかる電気代が節約できます。
使わない時間帯はこまめにオフ
つけっぱなしにしても電気代は高くありませんが、無人の部屋などではこまめにオフにするのが理想です。
タイマー機能がある機種であれば、自動でオフにするよう設定しておくと便利です。
照明との併用で効率アップ
照明と一体型のシーリングファンを選ぶことで、天井に取り付ける器具を1つにまとめられます。
照明とファンを別々に使うよりも配線もシンプルになり、長期的には電気代や交換の手間を減らすことができます。
家の電気代を節約するなら契約の見直しがおすすめ
シーリングファンの電気代はもともとそこまで高くないものですが、それでも、さまざまな家電製品と組み合わせていくとご家庭の電気代は高くなりがちです。
これはシーリングファンに限らずですが、電気料金の単価自体を見直すのも節約には効果的です。
電気代は、ご契約されている電気料金プランの電気料金単価が関係しています。この電気料金単価がより安い電力会社、電気料金プランに切替えることで、電気の使い方自体は変えずに電気代をおトクにすることができるということです。
シーリングファンの選び方に気を付けたり、使い方にも節約のポイントはありますが、ご家庭の電気代が気になるという方はぜひ、ご契約中の電気料金プランの見直しも検討してみると良いでしょう。