
こんにちは、まちエネです。
電気代の節約をする際、つい消費電力の高い家電製品ばかりに注目してしまってはいないでしょうか?実際にはW(ワット)数の低い家電製品についても意識して節電することが欠かせません。
今回は、100Wの家電製品がどのくらいの電気代になるかを計算してみましょう。まず目安としては、消費電力が100Wの家電製品の場合、1時間の電気代は3円となります。24時間使えば72円です(電気料金単価は30円/kWhで計算)。
このコラムでは、毎月の電気代を算出するための計算方法を解説します。また、節電のコツも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
W(ワット)数と電気代の関係を把握できれば、実際に使っている家電製品のW(ワット)数からおおよその電気代を予測できるので、節電につながります。
100Wの家電製品を使うと電気代はいくら?
電気代の計算について解説します。詳しくは「なぜ電気代は高くなったり安くなったりするの?電気代の計算方法を知ろう!」で解説していますが、計算式は次のとおりです。
電気代(円) = 消費電力(W)÷ 1,000 × 使用時間(h)× 電気料金単価(円/kWh)
上記の式にしたがい、消費電力100Wの電気代を計算してみましょう。使用時間は1時間、電気料金単価は30円/kwhとして算出します。
100(W)÷1,000×1(h)×30(円/kWh)=3(円)
この結果、消費電力100Wの家電製品を1時間使った場合の電気代は3円です。そして、1日(24時間)使えば72円になります。
この式を使い、消費電力100Wの家電製品を1日、1か月(30日)、1年(365日)使った場合の電気代を計算してみましょう。ここでは1日4時間使った場合の電気料金を算出します。
なお、電気料金単価は同じく30円/kWhで計算しますが、単価は電力会社や電力プランにより変わる場合もある点についてはご注意ください。
電気代 | |
1日 | 12円 |
1か月(30日) | 360円 |
1年(365日) | 4,380円 |
100Wの家電製品を毎日4時間使っていると、1年間で4,380円かかるという結果となりました。
消費電力100Wの家電製品とその電気代の例
実際に私たちがよく使っている消費電力が100Wの家電製品としては次のようなものがあります。
- 液晶テレビ
- マッサージチェア
- ノートパソコン
家電製品は、その種類や使い方により常に一定の消費電力ではないものです。平均的に100Wの電力を消費する代表的な家電製品を見てみましょう。
液晶テレビの電気代

現在、テレビは液晶、有機ELなどの種類があります。それぞれのおおよその消費電力は、液晶が100W、有機ELが250Wです。
上記のように一般的なテレビのなかでも消費電力が低い液晶テレビは、価格も他と比べて安い傾向にあるため、2台目、3台目として購入される方も多いのではないでしょうか?
消費電力が低いと画面サイズも小さいのではないかと思われるかもしれません。しかし、実際には液晶テレビであれば50型で消費電力はおよそ100Wです。わずか100Wでも50型の大画面を楽しめます。
テレビでの消費電力100Wは、基本的にスイッチを入れ、番組を見ている状態の消費電力です。ここでは、総務省が発表した「令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」から年代別テレビ視聴時間(休日・リアルタイムと録画の合計)をもとに、電気代を見てみましょう(視聴時間の小数点以下は切り捨て)。
視聴時間 | 電気代 |
61分(10代) | 約3.05円 |
81分(20代) | 約4.05円 |
139分(30代) | 約6.95円 |
211分(40代) | 約10.55円 |
284分(50代) | 約14.20円 |
347分(60代) | 約17.35円 |
以上のように、1日6時間近く液晶テレビを見ていても電気代は20円もかかりません。ただし、上記の表は休日のみの視聴時間です。テレビは基本的に毎日見る方が多いと思いますので、平日も含めると、積み重なればある程度の額になってしまう点には注意が必要です。
テレビの節約については、「テレビの電気代を抑えるには?節約テクで家計にやさしい暮らし」で詳しくご案内しておりますので、ご参考ください。
参考:50V型液晶テレビ <LC-50BW30>
参考:令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書
マッサージチェアの電気代

温泉地や商業施設でお世話になることも多いマッサージチェアですが、お家で使う用に購入する方も増えています。
価格も高級品になると50万円以上するものの、中には15万円程度のものもあり、日常の疲れを取る、休日にリラックスしたい時などに利用される方が多いのではないでしょうか。
以前は肩と腰をほぐすだけのものが一般的だったものの、近年は腕や腿、足の裏まで体全体をほぐすタイプが人気です。また、足裏にヒーターがついているタイプもあり、より高いリラックス効果を得られます。
マッサージチェアとひと口にいってもさまざまな種類がありますが、消費電力は100~150W前後とそれほど高くはありません。一般的なマッサージチェアの1回の利用時間は20分程度です。ここでは20分、40分、60分使った場合の電気代を見てみましょう。
利用時間 | 電気代 |
20分 | 約1円 |
40分 | 約2円 |
60分 | 約3円 |
以上のように1時間使ったとしても電気代は3円程度です。ただあまり使い過ぎると電気代ではなく、体に支障が出てしまう危険があるので気をつけて使いましょう。
参考:フジ医療器 マッサージチェア AS-F70
ノートパソコンの電気代

2023年2月、株式会社BCNが行った「若年層(15~39歳)のPC所有に関する調査」によると、ノートパソコンの所有率は43.0%とデスクトップパソコンの8.1%を大きく上回っています。
また、ビジネスで利用するパソコンでも、一部を除きデスクトップからノートパソコンへ移行するケースが多いのではないでしょうか。近年はテレワークの普及もあり、自宅で一日中ノートパソコンを起動しているケースも増えています。消費電力自体は100W程度ですが、長時間使っていると気になるのが電気代です。
ノートパソコンを起動している際、常に一定の消費電力がかかるわけではありません。もっとも高くなるのは起動時や再起動を行うときです。また、ゲームや動画編集など高負荷のアプリケーションを使用しているときも大幅に電力を消費します。
ここでは通常のビジネス利用で1時間、4時間、8時間での電気代を見てみましょう。
利用時間 | 電気代 |
1時間 | 約3円 |
4時間 | 約12円 |
8時間 | 約24円 |
常に一定の消費電力であることが前提ですが、1日8時間仕事で使った場合で約24円の電気代がかかる計算となります。
参考:acer SF14-71T-H76Y/B (Swift)
参考:BCN「ホントにPC離れ? 若年層の6割以上がPCを所有」
100Wの家電製品の節約方法
消費電力が100Wとはいえ、当然、不用意に使い過ぎてしまえば電気代は上がってしまいます。
100Wと低い消費電力ながら日々利用する家電製品の節約をすることが、トータルでの電気代削減につながるのです。ここでは、今回紹介した、液晶テレビ、マッサージチェア、ノートパソコンの節約方法について見てみましょう。
液晶テレビの節約方法
液晶テレビの主な節電ポイントは次のとおりです。
テレビはつけっぱなしにしない
音がないと寂しい、自宅に帰ってきたらとりあえずテレビをつけるといった方もいるかもしれません。
しかし、見るわけでもないテレビをつけっぱなしにするのは、節電をする上ではマイナスです。今より1時間テレビを消すだけでも年間で見るとそれなりの節約につながります。
もし音がなくて寂しいといった場合は、テレビより消費電力の低いラジオやスマートスピーカーで音楽を聴くなどすることも検討しましょう。
スイッチを入れたり消したり繰り返さない
多くの家電製品は電源を入れるときや消すときに大きく電力を消費します。そのため、不用意にスイッチを入れたり消したりを繰り返せば、無駄な電力消費につながってしまうでしょう。
また、テレビを見る際は、あらかじめ見る番組を決めておき、計画的にスイッチを入れるようにすることもポイントです。
長時間見ない場合は主電源を切っておく
家電製品はスイッチを切っても電源が入っていれば、少なからず待機電力がかかります。そのため、旅行や出張などで数日間家を空ける場合は主電源を切っておくようにしましょう。
参考:まちエネコラム「テレビの電気代を抑えるには?節約テクで家計にやさしい暮らし」
マッサージチェアの節約方法
マッサージチェアの主な節電ポイントは次のとおりです。
使わないときは主電源を切っておく
マッサージチェアは種類によっては時計やタイマー機能がついているため、使っていないときでも電力は消費されています。そのため、使用していないときは必ず主電源を切っておきましょう。
また、長期にわたって使用している場合、最新式の方が省エネ効果が高いケースも多いため、消費電力が高い場合は買替えの検討も必要です。
参考:日直当番からの暮らし日記
ノートパソコンの節約方法
ノートパソコンの主な節電ポイントは次のとおりです。
モニターの明るさ調整を適正に設定する
ノートパソコンのディスプレイは明るさの設定が可能です。過度に明るく設定してしまうと消費電力が高まるだけではなく、目にもよくありません。ポイントは部屋の明るさです。
部屋を暗くしているとディスプレイをより明るくしないと見えにくくなるため、部屋を明るくした上で、ノートパソコンの明るさ設定も適正に調整する必要があります。
また、パフォーマンスを下げて電力を節約するエコモードがある場合は、その設定にすることで消費電力をおさえることが可能です。
スリープモードを活用する
例えばテレワークでノートパソコンを使う場合、昼食時や休憩時などパソコンを使わない時間もたびたび発生します。その時間もパソコンを起動したままだとそれなりの電力を消費するため、席を離れる際は必ずスリープモードにしておくことが重要です。
パソコンを起動してそのままにしておくのに比べ、スリープモードにすることで大幅に消費電力の抑制につながります。
使わないアプリケーションは終了させる
業務内容によるものの、パソコンで作業をしているとさまざまなアプリケーションを使います。しかし、使っていないアプリケーションをそのままにしておけば無駄に電力を消費してしまうため、作業を終えて当分使わないアプリケーションは必ず終了させましょう。
使わないデバイスは抜き取っておく
気付きにくい点ですが、USBやイヤホン、外部デバイスなど使わない場合は必ず抜き取っておくと不要な電力消費をおさえられます。
参考:まちエネコラム「パソコンの電気代っていくら?デスクトップPC、ノートPC、ゲーミングPCそれぞれの電気代を比較」
電力プランの変更も節約につながります
100Wと少ないながらも細かく節約をすればトータルで大きな節電効果が期待できます。金額で見ればたいしたことはなくとも、100Wの家電製品を節約することが消費電力の高い家電製品の節約にもつながるのです。
また、電気代の節約を検討している方は、家電製品の節約以外に電力会社の切り替え、電気料金のプラン見直しも考えてみることをおすすめします。
電気代は電気料金単価が基本となって決まるため、電気料金単価の低いプランへの切替えも検討してみましょう。具体的には、昼間は仕事や学校で外出していることが多い場合は、夜間の割引額が多いサービスがおトクです。
それぞれのライフスタイルに合わせ、最適なサービスを選択してみてください。